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17歳の寄り道
第4章 【碧編】彷徨うココロ
「大人が何てことするんだ…」

過呼吸になるほど、心身にダメージを受けていたのは事実だ。
苦悶に満ちた先生の心配が嬉しかったが、一方で、自己嫌悪にもなった。

淫乱な自分も確実に存在しているからだ。
こんなに純粋に心配してくれている村上先生を、私は体を疼かせながら見つめていたからだ。

村上先生は、どんなふうに女性を抱くのだろうか。どんなセックスをするのだろう。
好きになってくれなくてもいいから、その時の顔を、一番近くで見たい。

浅野君しかいないと確信していたはずの心は、ふわりと舞う。

「……村上先生。もう一回、さっきみたいにして?」

片手で抱きしめてくれたことを言うと、村上先生はすぐに断った。

「もう、具合も悪くないのにできないよ」
「……ぎゅってしてくれたら、家でも幸せに過ごせるから」

確信犯だった。
上目遣いで村上先生の瞳を覗き込み、体を寄せて胸を押しつける。

村上先生は抵抗しきれず私の体を抱きしめ、私の耳元で「誰にも言うなよ」と告げた。

「言わない。先生も…誰にも秘密だよ」

先生の顎にちゅっとキスをする。見上げると村上先生はいろんな感情が混ざったような顔をしていた。

「白川は、浅野と…」

村上先生は、私に迂闊にキスされないように顔を背けていたが、確かに浅野君の名前を出した。

「えっ?」
「いや、何でもない」

それ以上は話してくれなかったので、私に何を聞こうとしたのか分からぬまま、ただ抱き合っていた。

「……村上先生、こうしてるとヘンな気になる?」
「なりません。高校生相手に。もう、やめるよ」

私が余計な事を言ったせいで、先生は私から離れてしまった。


19時前、先生の車は家の前に着いた。
ちょうど、母と凛太が帰ってきた時で、先生は車を降りて母に挨拶をしてくれた。

「倒れたの?夜更かしばっかりしてんじゃない?」
母は眉間に皺を寄せ、私を注意し、先生に繰り返し頭を下げる。

「少し、彼女の事を気に掛けてあげて下さい。小さなお子さんがいると、難しいかもしれませんが…。彼女もまだ、17歳ですから」

その言葉が母の心に届いたかは不明だが、私の心には届いた。
村上先生が、私を心配してくれているのが。

そこには恋愛はなく、担任のセンセイだから心配してくれているだけなのだが、自分のために何かしてくれているのは嬉しいものだった。
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