この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
17歳の寄り道
第4章 【碧編】彷徨うココロ
先生が帰って行くのを見届けてから、夕食の時間。
義父は珍しく打合せがあるらしくて不在だったので、拍子抜けした。
こんなことなら、早く帰ってきてもよかったのだが、帰ってきていたら、今日村上先生が抱きしめてくれることはなかった。
寝る前は河川敷での二人の秘密を思い出し、胸が逸った。
浅野君を思い出すこともなかった。
私の心は、ふわふわ浮いて漂い、村上先生の手の中に。
――翌朝。
「行ってきます!」
自転車がないのを忘れていて、雨の中、走って家を飛び出した。
この分だと遅刻になりそうだし、制服もびしょ濡れだろう。最悪だ~!とダッシュした。
結局、着いたのは1時間目が始まった後。
途中から入るのも迷いがあったので、昨日浅野君に教えてもらった秘密基地で時間を潰すことにした。
誰もいないし、雨もかからない。
昨日浅野君とセックスした場所から少し離れて、段差に横になり、上を見上げた。
目を閉じてみたら、雨の音がサアアアと心地いい…
すると、ジャリ…と靴が地面に擦れる音が聞こえ、目を開けた。
視界には、逆さ向きの小林先輩がいる。
私の頭側に立ち、上から覗き込むように現れた先輩に、びっくりして飛び起きた。
「ひとりで何してんの、碧ちゃん」
小林先輩は、煙草に火を点けて躊躇なく吸い始めた。学校で煙草を吸うなんて、昔の不良の話だと思っていたが…
一応、進学校の扱いではあるこの学校。
このご時世に校内で喫煙する人もいるんだと驚いた。
先輩は、思い切り煙を吸い込み、その煙と同じような色をしている雨雲の空に向かって吐き出し、私を見た。
「結愛に会ったんだよね?」
「…会いました。かわいかったです」
「でしょ。でも遥のお下がりなんだよなあ」
お下がり…嫌な表現だ。
小林先輩は私の横に立ち、上からふーっと煙を吐きかけてくる。
「やめてくださいよっ」
ゴホゴホとむせていると、先輩はコンクリートの上に煙草を落としてぎゅっと踏みつけ、指先で摘まんで雨水がたまっている溝の中に捨てた。
「知ってる?あいつらの関係」
「元カノだとは聞きましたけど…」
「はは。元カノか。いとこだよ。中学の頃からヤリまくってんだよ、あいつら」
考えないようにしていた浅野君のことがリアルに思い出されて、胸が切なくなる。
義父は珍しく打合せがあるらしくて不在だったので、拍子抜けした。
こんなことなら、早く帰ってきてもよかったのだが、帰ってきていたら、今日村上先生が抱きしめてくれることはなかった。
寝る前は河川敷での二人の秘密を思い出し、胸が逸った。
浅野君を思い出すこともなかった。
私の心は、ふわふわ浮いて漂い、村上先生の手の中に。
――翌朝。
「行ってきます!」
自転車がないのを忘れていて、雨の中、走って家を飛び出した。
この分だと遅刻になりそうだし、制服もびしょ濡れだろう。最悪だ~!とダッシュした。
結局、着いたのは1時間目が始まった後。
途中から入るのも迷いがあったので、昨日浅野君に教えてもらった秘密基地で時間を潰すことにした。
誰もいないし、雨もかからない。
昨日浅野君とセックスした場所から少し離れて、段差に横になり、上を見上げた。
目を閉じてみたら、雨の音がサアアアと心地いい…
すると、ジャリ…と靴が地面に擦れる音が聞こえ、目を開けた。
視界には、逆さ向きの小林先輩がいる。
私の頭側に立ち、上から覗き込むように現れた先輩に、びっくりして飛び起きた。
「ひとりで何してんの、碧ちゃん」
小林先輩は、煙草に火を点けて躊躇なく吸い始めた。学校で煙草を吸うなんて、昔の不良の話だと思っていたが…
一応、進学校の扱いではあるこの学校。
このご時世に校内で喫煙する人もいるんだと驚いた。
先輩は、思い切り煙を吸い込み、その煙と同じような色をしている雨雲の空に向かって吐き出し、私を見た。
「結愛に会ったんだよね?」
「…会いました。かわいかったです」
「でしょ。でも遥のお下がりなんだよなあ」
お下がり…嫌な表現だ。
小林先輩は私の横に立ち、上からふーっと煙を吐きかけてくる。
「やめてくださいよっ」
ゴホゴホとむせていると、先輩はコンクリートの上に煙草を落としてぎゅっと踏みつけ、指先で摘まんで雨水がたまっている溝の中に捨てた。
「知ってる?あいつらの関係」
「元カノだとは聞きましたけど…」
「はは。元カノか。いとこだよ。中学の頃からヤリまくってんだよ、あいつら」
考えないようにしていた浅野君のことがリアルに思い出されて、胸が切なくなる。