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17歳の寄り道
第4章 【碧編】彷徨うココロ
「遥とはもうヤッた?」
知っているくせにわざと聞いてきたのだと思った。
「……知りません」
ぷいと顔をそらし、膝を閉じて座る。小林先輩は意地悪く笑っていた。
「あいつら、親同士が反対してるから、会ってない事になってるらしいよ」
「そうなんですか…」
ホワイトグレーの空を見上げる。雨足は徐々に強まっているように思えた。
小林先輩は、ポケットからまた煙草を取り出した。
先輩が手にしている青いソフトケース。
「煙草っておいしいですか?」
「は?」
「ちょっと見せて下さい」
先輩の手から難なく取り上げ、銘柄を確かめた。
深めの青を基調としたそのデザインは、ザ・日本の煙草。誰でも名称を知っているスタンダード。
悪ぶってるわりには王道の銘柄を選択している事に、一種の親しみやすさを感じた。
「碧ちゃん、吸いたいの?」
「いえ、いらないです。先輩ってA型ですか?」
その銘柄だからと言って、血液型が確定できる根拠にはならないのだが、何となく尋ねてみる。
「え?そうだけど、何だよ?」
当たった。
途端に、よく巷で言われがちな血液型のイメージが浮かび、ふふっと笑った。
「碧ちゃんは何」
「私は、半分先輩と一緒です」
「AB?」
「当たりです」
「結愛と一緒…。遥はBだよ」
それもまた、イメージ通りで吹き出した。
もうすぐ1時間目終了のチャイムが鳴る。
ソフトケースを先輩に返して立ち上がり、スカートをはたいた。
先輩はもう煙草を吸う事はなく、ポケットに戻した。
「碧ちゃんは変わってんね」
「…そうですか?」
「ああ。俺にも物怖じしねぇし、普通逃げるだろ。喫煙現場に居合わせたら停学くらうぜ」
「そうですね。次から一緒にいる時は吸わないで下さいね」
「図太い女」
先輩は私をそう評した。
いつも笑顔で、波風立てずに明るくニコニコ。それが普段の私。
でも本当は、図太くて、自分の欲望に忠実だ。
浅野君や、小林先輩は、そんな本当の私をきっと見抜いている。
知っているくせにわざと聞いてきたのだと思った。
「……知りません」
ぷいと顔をそらし、膝を閉じて座る。小林先輩は意地悪く笑っていた。
「あいつら、親同士が反対してるから、会ってない事になってるらしいよ」
「そうなんですか…」
ホワイトグレーの空を見上げる。雨足は徐々に強まっているように思えた。
小林先輩は、ポケットからまた煙草を取り出した。
先輩が手にしている青いソフトケース。
「煙草っておいしいですか?」
「は?」
「ちょっと見せて下さい」
先輩の手から難なく取り上げ、銘柄を確かめた。
深めの青を基調としたそのデザインは、ザ・日本の煙草。誰でも名称を知っているスタンダード。
悪ぶってるわりには王道の銘柄を選択している事に、一種の親しみやすさを感じた。
「碧ちゃん、吸いたいの?」
「いえ、いらないです。先輩ってA型ですか?」
その銘柄だからと言って、血液型が確定できる根拠にはならないのだが、何となく尋ねてみる。
「え?そうだけど、何だよ?」
当たった。
途端に、よく巷で言われがちな血液型のイメージが浮かび、ふふっと笑った。
「碧ちゃんは何」
「私は、半分先輩と一緒です」
「AB?」
「当たりです」
「結愛と一緒…。遥はBだよ」
それもまた、イメージ通りで吹き出した。
もうすぐ1時間目終了のチャイムが鳴る。
ソフトケースを先輩に返して立ち上がり、スカートをはたいた。
先輩はもう煙草を吸う事はなく、ポケットに戻した。
「碧ちゃんは変わってんね」
「…そうですか?」
「ああ。俺にも物怖じしねぇし、普通逃げるだろ。喫煙現場に居合わせたら停学くらうぜ」
「そうですね。次から一緒にいる時は吸わないで下さいね」
「図太い女」
先輩は私をそう評した。
いつも笑顔で、波風立てずに明るくニコニコ。それが普段の私。
でも本当は、図太くて、自分の欲望に忠実だ。
浅野君や、小林先輩は、そんな本当の私をきっと見抜いている。