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17歳の寄り道
第4章 【碧編】彷徨うココロ
放課後の図書室。
司書の先生から簡単な説明を受けた後、カウンター内で私と浅野君が座る。
閉館時間は、季節によって変わる。夏は18時まで。春、秋、冬は17時半。閉館と共に係の仕事も終了となる。

返却に来る生徒は、司書の先生がいる時間に集中していて、後は勉強していたり、貸出業務は少なかった。

浅野君は、小さな文庫本を片手に読みふけっている。

「読んでもいいのかな?」
「いいだろ。暇じゃん」

昨日、私を放置して帰ったことなんて、すっかりお忘れの様子だ。

「…私、配架してくる」

図書を本棚に戻す配架業務。ワゴンに積まれた返却された本を押しながら、ひとつひとつ戻してゆく。
自分では借りないような本を見つけて興味がわいたり、好みの本を見つけたり、脇道にそれながらも確実に戻す。

ほぼ戻し終え、窓から運動場を見ると、サッカー部が活動している。
カウンターにいる浅野君がこっちを見ていないか確認したが、読書に集中している。


何だか知らないけど、サッカー部見てたら、男好きって言われちゃうもんね。
何でそんなこと言うんだろ…

東野君に嫉妬?、、、まさかね。
浅野君は私の事、セフレにしか思ってないでしょ。
きっと、本命は結愛ちゃんなんだ。

いとこ同士だって、小林先輩が言っていたな。
先輩を含めて、あの3人はどういう関係なんだろう。

結愛ちゃんが浅野君と関係を持っていても、小林先輩はそれでもいいのかな…

考えているうちに、司書の先生が戻ってきた。

「ありがとう、浅野君、白川さん!助かったわぁ」

閉館時間より少し早めに解放してもらえることになった。



校門を出て公園まで歩いてたら、浅野君が私に手を伸ばす。

「碧。手」
「…手?」
「手ー出したらやる事決まってんだろ。繋ぐんだよ」

浅野君は、乱暴に私の左手をぎゅっと握る。

「痛いよ」
「そりゃ悪かったな」

手を繋いで歩くなんて、彼氏みたいじゃん。
付き合ってないのに。エッチしただけなのに。やりたい放題するくせに。

結愛ちゃんがいるくせに。何なの…

素直になれない感情が溢れて、胸が苦しい。
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