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17歳の寄り道
第4章 【碧編】彷徨うココロ
公園に着いた。浅野君が手を繋いでくれているから怖くない。
今日は、それぞれの自転車に乗って帰るから、途中までは同じ帰り道だ。
解散した後は、どこで時間を潰そうか考えていると、浅野君は空を見上げながら言った。
「これから明るくなってくるな。日の入りが遅くなるから」
「ふふ。天文部っぽいね。そうだ、浅野君観測会行くの?」
「まだ返事してねーけど…。碧は行くの?」
「うん。今日承諾書出したよ」
「じゃ、俺も行こ」
だから、、それも彼氏みたいじゃん。
普通の彼女みたいに扱われると、どうしていいかわからなくなる…
繋いでいた手をぎゅっと強く握られて、顔を上げた。
「うち寄って帰れば。もう結愛は来ないから」
「……なんで来ないってわかるの?」
「来るなって言ったからだけど…何?怒ってる?」
勝手に家に入ってきて、鍵してる部屋のドアまで開けられるのに、何故、来ないって断言できる?
浅野君の口から、結愛ちゃんの名前が出るのも嫌だ…
「怒ってないよっ」
「怒ってんじゃん、何だよ」
「浅野君も、昨日怒って私を置いて行ったじゃん」
「……悪かったよ」
予想外に素直に謝られたので、続きの言葉が出ない。浅野君は黒い自転車に鍵を差し込み、サドルに跨る。
「行くぞ」
私が行かない選択肢などないように、浅野君はペダルを漕ぎ出し進む。私も自転車に飛び乗り、彼の後ろをついて行った。
私が、浅野君の事を好きだと信じて疑わないような振る舞い。
何でそんなに自信たっぷりなの?
悔しいが、離されないように必死で漕いだ。
ガレージに自転車を置かせてもらっていたら、黒くて、渋めの無骨なバイクが目に入る。
「かっこいい…」
完全にひとりごとのつもりで、聞こえないほど小さく言ったにも関わらず、浅野君は私の感想に反応した。
「かっこいいだろ!?碧、気ー合うな!」
ゴキゲンで私の肩に手を置くお調子者。
「このバイク、浅野君のなの?」
「そう!春休みバイトして譲ってもらったんだ、小林先輩のお下がりだけど」
お下がり…
小林先輩の…
今日は、それぞれの自転車に乗って帰るから、途中までは同じ帰り道だ。
解散した後は、どこで時間を潰そうか考えていると、浅野君は空を見上げながら言った。
「これから明るくなってくるな。日の入りが遅くなるから」
「ふふ。天文部っぽいね。そうだ、浅野君観測会行くの?」
「まだ返事してねーけど…。碧は行くの?」
「うん。今日承諾書出したよ」
「じゃ、俺も行こ」
だから、、それも彼氏みたいじゃん。
普通の彼女みたいに扱われると、どうしていいかわからなくなる…
繋いでいた手をぎゅっと強く握られて、顔を上げた。
「うち寄って帰れば。もう結愛は来ないから」
「……なんで来ないってわかるの?」
「来るなって言ったからだけど…何?怒ってる?」
勝手に家に入ってきて、鍵してる部屋のドアまで開けられるのに、何故、来ないって断言できる?
浅野君の口から、結愛ちゃんの名前が出るのも嫌だ…
「怒ってないよっ」
「怒ってんじゃん、何だよ」
「浅野君も、昨日怒って私を置いて行ったじゃん」
「……悪かったよ」
予想外に素直に謝られたので、続きの言葉が出ない。浅野君は黒い自転車に鍵を差し込み、サドルに跨る。
「行くぞ」
私が行かない選択肢などないように、浅野君はペダルを漕ぎ出し進む。私も自転車に飛び乗り、彼の後ろをついて行った。
私が、浅野君の事を好きだと信じて疑わないような振る舞い。
何でそんなに自信たっぷりなの?
悔しいが、離されないように必死で漕いだ。
ガレージに自転車を置かせてもらっていたら、黒くて、渋めの無骨なバイクが目に入る。
「かっこいい…」
完全にひとりごとのつもりで、聞こえないほど小さく言ったにも関わらず、浅野君は私の感想に反応した。
「かっこいいだろ!?碧、気ー合うな!」
ゴキゲンで私の肩に手を置くお調子者。
「このバイク、浅野君のなの?」
「そう!春休みバイトして譲ってもらったんだ、小林先輩のお下がりだけど」
お下がり…
小林先輩の…