この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
17歳の寄り道
第1章 【碧編】17歳、白川碧
手前にある椅子に腰掛けたら、村上先生も前の椅子を引いて座り、頬杖をついて私を見た。

「ついでに聞いとくよ。何で家帰りたくないの?」

さっきの言葉は聞き流されてはいなかったんだ。
少しだけ救われた気持ちになった。

ハンカチを膝の上で握りしめて、メガネの奥の先生の瞳を見つめる。
私は誰かに話したかったのだろうか。

「誰にも…言わないでくれますか?お母さんにも…」

先生は頬杖をやめて、体を私の方に向けて座り直した。

「ああ。言わない」

「大した話じゃないんです、全然…」

そう切り出した私は、村上先生に全てを話した。
言葉に出すと、心がどんどん軽くなって、村上先生の相槌にもたまらなく嬉しくなり、最後にはこう話していた。

「居場所がなくてつらい……」


これが本心だったのかと自分でも驚いた。
村上先生は、じっと耳を傾けてくれたあと、大きな手で頭を撫でてくれた。

話し過ぎてしまった、「もっとつらい状況の人間はいるぞ」と言われたらどうしよう、甘いと叱られたら…
そんな不安など掻き消されるほど、先生の手は安心できた。

手が離れたら、先生は一つ提案をした。

「天文部入れば?俺顧問だし、夏と冬の合宿はあるけど、活動は自由だよ」
「女の子は……」
「二人いるよ。普通科の1年が。あとは浅野も入れてやろうと思ってる」
「えっ…」

入部やめとこうかな。
私のリアクションを見て、村上先生がくっくっと笑う。

「浅野と一緒は嫌なんだ」
「だ、だって浅野君嫌なこと言うんだもんっ」
「白川のこと好きだからでしょ。いじめたいんだろ、ガキだな」

えーーー
仮に好きだとしても、その相手に、お前はみんなのオナペットだとか言う???

理解に苦しんでいたら「俺も天邪鬼だから、浅野の気持ちはわかる」と村上先生。


村上先生の印象が変わった。
中学でもこんな先生はいなかった。

生徒の気持ちに寄り添ってくれる先生だ。
/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ