この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
17歳の寄り道
第5章 【碧編】ファザー・コンプレックス
「つきあっちゃえばいいのに、東野君と」

千晴と向き合い、画用紙にひたすらに点を打っていく。

この日の授業は点描画だった。
なかなかに楽しいが、千晴の発言を聞いて、順調に点を打っていた手が止まる。

千晴には、エッチしたことなど何一つ話してはいない。
義父の話は元々誰にもしないし、遥の事なんて、どう話せばいいの?

「初エッチ、イケメンキーパーなら優しく受け止めてくれんじゃん?」

千晴はよく東野君のことをイケメンキーパーと呼ぶ。イケメンというか、クセのない好青年だとは思うが。

初エッチか。
もう私の処女は、捨ててしまった。

公園で襲われなければ、あの時おもらししなければ…過呼吸にならなければ、きっと遥とこうなることもなくて。

全く意味のない仮定だが、もし、あの公園で一緒にいたのが東野君だったり…村上先生だったとしたら。

私は彼らにも脚を開いたんだろう。


授業中なのに、そんな妄想をしてキュンと腹部が熱くなる。…が、何となく重い腰。
ある予感がしながらトイレに行くと、予想通り月のものが来ていた。


遥の姿を見つけたのは、美術が終わり教室に戻った時。
LINEを聞いておかなきゃと彼の席まで行くと、足を投げ出し座っていた遥が私に気づいた。

「遥」
「どしたの?腰」

生理中の腰の重さに、無意識に自分の腰をさすっていたことを指摘された。

「ああ、…来たの。アレが…」
「はー、よかったじゃん」

『アレ』と言っただけで簡単に気付く遥は、飄々としている。

「じゃあ今度の約束は延期にしよ、会ってもヤレねえしな。セーリならバイク跨んのもキツイだろ」

笑いながらデートの延期を言い渡され、この後LINEを聞こうとしていた私の意欲を全て奪われた。


……ヤレなかったら、会う意味ないって?
生理だったら、会う価値ないって?

最低!


知ってたけど、こんなやつって知ってたけど、最低!
何より、こんな男にカラダを許した自分が一番最低だ!

今私が傷ついたことにすら気付いていないような遥。
イヤホンを取り出して音楽を聞こうとしている。

「……もう、いい。行かない。延期じゃなくて、白紙だから。」

それだけ告げて、私は自分の席に戻った。
/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ