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17歳の寄り道
第5章 【碧編】ファザー・コンプレックス
「つきあっちゃえばいいのに、東野君と」
千晴と向き合い、画用紙にひたすらに点を打っていく。
この日の授業は点描画だった。
なかなかに楽しいが、千晴の発言を聞いて、順調に点を打っていた手が止まる。
千晴には、エッチしたことなど何一つ話してはいない。
義父の話は元々誰にもしないし、遥の事なんて、どう話せばいいの?
「初エッチ、イケメンキーパーなら優しく受け止めてくれんじゃん?」
千晴はよく東野君のことをイケメンキーパーと呼ぶ。イケメンというか、クセのない好青年だとは思うが。
初エッチか。
もう私の処女は、捨ててしまった。
公園で襲われなければ、あの時おもらししなければ…過呼吸にならなければ、きっと遥とこうなることもなくて。
全く意味のない仮定だが、もし、あの公園で一緒にいたのが東野君だったり…村上先生だったとしたら。
私は彼らにも脚を開いたんだろう。
授業中なのに、そんな妄想をしてキュンと腹部が熱くなる。…が、何となく重い腰。
ある予感がしながらトイレに行くと、予想通り月のものが来ていた。
遥の姿を見つけたのは、美術が終わり教室に戻った時。
LINEを聞いておかなきゃと彼の席まで行くと、足を投げ出し座っていた遥が私に気づいた。
「遥」
「どしたの?腰」
生理中の腰の重さに、無意識に自分の腰をさすっていたことを指摘された。
「ああ、…来たの。アレが…」
「はー、よかったじゃん」
『アレ』と言っただけで簡単に気付く遥は、飄々としている。
「じゃあ今度の約束は延期にしよ、会ってもヤレねえしな。セーリならバイク跨んのもキツイだろ」
笑いながらデートの延期を言い渡され、この後LINEを聞こうとしていた私の意欲を全て奪われた。
……ヤレなかったら、会う意味ないって?
生理だったら、会う価値ないって?
最低!
知ってたけど、こんなやつって知ってたけど、最低!
何より、こんな男にカラダを許した自分が一番最低だ!
今私が傷ついたことにすら気付いていないような遥。
イヤホンを取り出して音楽を聞こうとしている。
「……もう、いい。行かない。延期じゃなくて、白紙だから。」
それだけ告げて、私は自分の席に戻った。
千晴と向き合い、画用紙にひたすらに点を打っていく。
この日の授業は点描画だった。
なかなかに楽しいが、千晴の発言を聞いて、順調に点を打っていた手が止まる。
千晴には、エッチしたことなど何一つ話してはいない。
義父の話は元々誰にもしないし、遥の事なんて、どう話せばいいの?
「初エッチ、イケメンキーパーなら優しく受け止めてくれんじゃん?」
千晴はよく東野君のことをイケメンキーパーと呼ぶ。イケメンというか、クセのない好青年だとは思うが。
初エッチか。
もう私の処女は、捨ててしまった。
公園で襲われなければ、あの時おもらししなければ…過呼吸にならなければ、きっと遥とこうなることもなくて。
全く意味のない仮定だが、もし、あの公園で一緒にいたのが東野君だったり…村上先生だったとしたら。
私は彼らにも脚を開いたんだろう。
授業中なのに、そんな妄想をしてキュンと腹部が熱くなる。…が、何となく重い腰。
ある予感がしながらトイレに行くと、予想通り月のものが来ていた。
遥の姿を見つけたのは、美術が終わり教室に戻った時。
LINEを聞いておかなきゃと彼の席まで行くと、足を投げ出し座っていた遥が私に気づいた。
「遥」
「どしたの?腰」
生理中の腰の重さに、無意識に自分の腰をさすっていたことを指摘された。
「ああ、…来たの。アレが…」
「はー、よかったじゃん」
『アレ』と言っただけで簡単に気付く遥は、飄々としている。
「じゃあ今度の約束は延期にしよ、会ってもヤレねえしな。セーリならバイク跨んのもキツイだろ」
笑いながらデートの延期を言い渡され、この後LINEを聞こうとしていた私の意欲を全て奪われた。
……ヤレなかったら、会う意味ないって?
生理だったら、会う価値ないって?
最低!
知ってたけど、こんなやつって知ってたけど、最低!
何より、こんな男にカラダを許した自分が一番最低だ!
今私が傷ついたことにすら気付いていないような遥。
イヤホンを取り出して音楽を聞こうとしている。
「……もう、いい。行かない。延期じゃなくて、白紙だから。」
それだけ告げて、私は自分の席に戻った。