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第3章 発熱中





「お、起きてて大丈夫か」

「あ、おかえり」



仕事から帰ってきたヒビキが私の姿をキッチンで見つけて近寄り、少し屈んでおでこにコツんとヒビキのおでこが触れた。

おでこから伝わるヒビキの体温は外気を含んで、微熱まじりの私にはヒンヤリとして、気持ちが良い。

心地良さに、目を細めヒンヤリとした体温を求め、自然とヒビキの首に手を廻す。



「誘ってんの」

「イヤ、冷たくて気持ちいい」

「まだ、少し熱いな」

「いつもこんなもんだよ
もう動けるし」

「そうか、無理すんな」

「うん」

「「.........」」




首に廻した手に力を込める。

日中躰を動かし逃がした熱が、先程のデココツで再び燻りだす。

見上げたヒビキの眼球に映し出されたイロを含んだ私が映る。

緩やかに頬を包み込む、冷たい手。

心地良さに目を細めた瞬間。

ため息と共にヒヤリとした感触を外部に、同時に内部は熱く重厚な滑りに囚われていた。




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