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真昼の情事
第1章 うだる和室
けれど、食い込む指にも快感を覚えるのも事実。一松の執着、情欲、飢えに、カラ松の神経はいつも灼かれる。
カラ松は胸を這う一松の手を掴んで、突き出した胸にさらに押し付けた。腕が震える。
唾液などとうになくなったのに、汗できしませるようにしながら乳首がつぶされ、こねられ、時として爪を立てられる。そのたびに、声が一松の喉に吸い込まれる。腰の揺れは腕に阻まれる。
舌を絡められ、口蓋を舐められ、唇をしゃぶられ、強引に唾液をしごき取るような舌フェラ。一松が我が物顔でカラ松の口中を荒らす。
「ぁ……」
口を離されたとき、カラ松の背骨は形をなくし、ずるずると一松の胸に沿って滑り落ちた。一松は止めない。
隣に座ったまま倒れこめば、頬が当たる。ハーフパンツの中、ガチガチに硬くなった一松のモノに。
すぐに咥えさせてもよかった。二人の関係がもっと浅かったら、一松もそうしただろう。カラ松の意識を戻させないために。
だが、いまとなっては。
一松は、そっとカラ松の頬に触れた。お互い汗まみれだ。敢えて性を感じさせない手のひらで頬骨を覆うが、それすらもいまのカラ松は刺激と受け取ってきつく目を閉じる。 くふぅと息を吐く。
顎にかかる小指。時折そこだけに弱く力を込めると、肩が震えた。
じんわりと、自分の汗が一松の着衣に染みていくのをカラ松は感じる。自分の頬と一松の股間が同化していくのを感じる。同時に強く立ち上る雄の匂いにつま先から痺れていく。
「喋れる?」
とんとん、と小指に唇をノックされ、カラ松は目を上げた。指に色はないのに、一松の目は絡み付いてカラ松の視線を逃さない。
大丈夫だ、浮上しても。また叩き落される。快楽に。
カラ松は期待を胸にようやっと頷いた。
「どうしたい?」
そんなことはさっきから決まっている。思うものの、空気はカスカスとカラ松の喉を通るばかりで声にならない。
唇だけが動いた。
「ん、舐めたい?」
「あぁ……」
今度は小さく声になった。
言いながら、カラ松は声を押し出すのに使った自分の腹がヒクヒクとするのを感じた。