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真昼の情事
第2章 風呂場
 カラ松は目を閉じ一松の剥き出しの股間に頬を摺り寄せた。
 せっかく風呂場に来たのに流してすらいない一松のものから香る男の匂い。その、匂いも、柔らかさも硬さも熱さも、こういう関係になってから知ったものだ。全部を自分のものにしたく、カラ松は指で小さく引き寄せた性器を舌から迎えて唇が一松の下腹につくまで深く咥えこんだ。
 前屈みになった一松の背中から、水が伝ってカラ松の足に落ちる。その冷たさと、触れた太ももやペニスの熱さ。そして自分の頬の熱さ。
 カラ松は、一松を見せびらかしたいような、閉じ込めて誰にも見せたくないような、おかしな気持ちに胸をかき乱された。

 カラ松はいつからか、歯が当たらないようにと唇を内側に巻き込むようにしてフェラをするようになった。教えてもいないのに。
 一松はそれを見ていると、カラ松に全部を握られてしまったような恐怖と快感を覚える。
 ずるずると飲み込まれた先端がきゅうっと締め付けられる。喉を締めているのだろう。苦しいはずなのにと思うとまたそれも一松を縛る。
 ずるぅと引き抜かれたムスコに兄の舌が巻きつく。おいしそうに先を舐めしゃぶる。ちろりと見上げられた一松は、自分のセリフの結果を身構えて待つ。━━アレが、来る。
 カラ松は、一松のちんこの裏側、カリと茎の境目の縫い目に広げた舌を押し当て、逆側に置いた手で押さえ込むようにして頭をゆっくりと進める。最初は押さえる圧しか感じないが、圧が限界を超えたとき一気にズリュンと敏感なところを摩擦されて、目の中に火花が散る。声が漏れて、喉が鳴る。
 そしてそれを何度も。いつもより執拗に。ビクンビクンとそのたび意図せず一松の腰が跳ねる。
 技巧というよりは、いつものやり方をなぞりながらも荒い呼吸を伴うそれに、『飲みたい』と言われたのが本心なのだと実感する。そして飲ませてきたいままでも嫌ではなかったのだと、再認識できる。
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