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恋はいつでも平行線【完結】
第26章 *二十六*
 ねえ、青。
 どうして返事にそんなに間を空けるの?
 わたしは不安になり、青を抱きしめた。青も同じようにわたしの身体を抱きしめ返してくれた。

「柚希。明日が秋祭りの本番だよ」

 そもそもがこの部屋には時計なんてなくて、あっても時計を見る余裕なんてなかったため、時間経過が分からない。だから青のその言葉に、そんなに時間が経っていたのかと初めて知った。

「明日は奉納の舞いの時だけ、柚希を抱くね。だから今日はもうお休み」

 青はそう言うと、わたしを抱きしめて、眠りに誘った。

「や……だ、寝たく、ない」

 寝てしまったら、青がいなくなってしまいそうで。
 それが怖くてわがままを言うと、青は困ったように眉尻を下げた。
 それから青はわたしの唇をふさぎ、舌を差し込んできたかと思ったら、またなにかを流し込まれた。
 のみ込むのを拒否しようとしたのに、青はわたしがのみ込むまで唇を離してくれなくて、結局、嚥下するしかなかった。
 しばらく青はわたしの身体を抱きしめていたけれど、青の温もりと、飲まされたなにかのせいで、頭に霞が掛かったようにぼんやりしてきた。

「柚希、とにかく奉納の舞いまでお休み」

 一人で寝るのは嫌だ。
 青、側にいて。

 そう言いたいのに、まぶたを上げることも、指を動かすこともできず、わたしはそのまま、眠ってしまったようだ。
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