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恋はいつでも平行線【完結】
第30章 *三十*
え、なにそれ。
「……それが、俺たちにもわからないことが多くてはっきり言えないんだけど」
青はそう前置きをして、続けた。
「俺、柚希の腕にはまっていたブレスレット、壊しただろう?」
「あ……うん」
臣哉が持ち込んだ、呪いのブレスレット。
金でできた細身のブレスレットには繊細な彫刻が施されていて、一つだけ真っ赤なルビーがはまっていた。
このブレスレットの謂われだとか経緯はわからないけれど、呪いの品であるということだけははっきりしていた。
「だれだっけ、敬人とかいう人が調べてきたみたいで、話を聞いたんだが」
「敬人伯父さん?」
「あいつも神田の血を引いてるんだよな」
「うん。わたしの母のお兄さんだから」
「俺、あいつ、好かないわ」
と青が言えば、横にいた雪さんがぺしっと青の頭を叩いた。
「なにすんだよ!」
「青!」
「事実を述べただけだ」
「あの方も、神田家の人なのですよ」
「雪はああいうのが好きなのか?」
「…………っ!」
青の指摘に、雪さんの顔がみるみる間に真っ赤になった。
へー、意外。
雪さんの好みって、あんな感じなのかぁ。
「……趣味悪」
青……。
「……敬人さまは、私のことをいろいろと気にかけてくださって……」
伯父さん、基本は女性に優しいからなぁ。
ちなみにそれは、神田家の女性には残念ながら適用されてない。
「それよりも! 青、続きを」
「へいへい。──で、あのブレスレットだけど、作られたのは、十七世紀頃のイギリス」
「え、そんな昔……なの?」
「俺が壊したから、もう確認できないけど、ブレスレットの内側に金細工ギルドのホールマークと言われるものがされていて、それで製造された年代を特定することができたとか言ってたな」
「……それが、俺たちにもわからないことが多くてはっきり言えないんだけど」
青はそう前置きをして、続けた。
「俺、柚希の腕にはまっていたブレスレット、壊しただろう?」
「あ……うん」
臣哉が持ち込んだ、呪いのブレスレット。
金でできた細身のブレスレットには繊細な彫刻が施されていて、一つだけ真っ赤なルビーがはまっていた。
このブレスレットの謂われだとか経緯はわからないけれど、呪いの品であるということだけははっきりしていた。
「だれだっけ、敬人とかいう人が調べてきたみたいで、話を聞いたんだが」
「敬人伯父さん?」
「あいつも神田の血を引いてるんだよな」
「うん。わたしの母のお兄さんだから」
「俺、あいつ、好かないわ」
と青が言えば、横にいた雪さんがぺしっと青の頭を叩いた。
「なにすんだよ!」
「青!」
「事実を述べただけだ」
「あの方も、神田家の人なのですよ」
「雪はああいうのが好きなのか?」
「…………っ!」
青の指摘に、雪さんの顔がみるみる間に真っ赤になった。
へー、意外。
雪さんの好みって、あんな感じなのかぁ。
「……趣味悪」
青……。
「……敬人さまは、私のことをいろいろと気にかけてくださって……」
伯父さん、基本は女性に優しいからなぁ。
ちなみにそれは、神田家の女性には残念ながら適用されてない。
「それよりも! 青、続きを」
「へいへい。──で、あのブレスレットだけど、作られたのは、十七世紀頃のイギリス」
「え、そんな昔……なの?」
「俺が壊したから、もう確認できないけど、ブレスレットの内側に金細工ギルドのホールマークと言われるものがされていて、それで製造された年代を特定することができたとか言ってたな」