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恋はいつでも平行線【完結】
第33章 *三十三*
暗闇の中だったけれど、青が顔をしかめたのが分かった。
「臣哉のことは、嫌い。大っ嫌い。でも……それと同じくらい、惹かれてる自分がいるの。……それっておかしいよね。あいつの性格は嫌いだけど、顔は好きだし、それに……身体もその、気持ちがよくて……うん、最低だね、わたし」
思ったことを口にして、自分でも最低最悪だと思う。
でも、身体が惹かれているってのは、きっとそれは本能で、あらがえないものなのかもしれない。
「あいつの性格は嫌い。でも、最低と言われてもいい。身体は好きなの。本能が、あいつの種が欲しいって言ってる」
「……俺にはよく分からないけど、柚希が欲しいって思うのなら、俺はすごい反対だけど、でも、止める権利はないし、そんな切ない顔をされたら、止められないよ」
本当に、自分で自分が嫌になるほど、最低だと思う。
でも、身体が臣哉を求めているのだ。
結婚はごめんだけど、あいつの種だけが欲しい。
「……わたし、あの女の人と一緒だ」
「え?」
「臣哉の精液を寄越せって言われたの」
「…………」
「わたしも一緒。臣哉自身は要らないけど、あいつの精液だけ欲しい」
あの人がわたしに取り憑いていたのかもしれない。
それでも、そのときはそれでいいと思った。
「だからわたし、今から絞り取りに行ってくる」
自分でもひどい開き直りだと思うけれど、でも、そうとでも言わないと、青はわたしを行かせてくれないと思う。
「だから、青」
「……分かったよ! 分かりたくないけど、俺には不可能なことを言われたら、うなずくしかないじゃないか!」
「……ごめんね、青」
「謝るなよ!」
青のことが好きといいながら、わたしは青にひどいことを強要している。
それは青がわたしに対して好意を抱いていて、決して嫌いにならないと知っているから言えること。
わたしは本当に、最低だ。
それに、わたしのこのわがままは、この地区一帯の人たちの生活をも狂わせる行為なのだ。
分かっていても、止められても、それでもわたしは自分のわがままを通すため、行動を起こす。
「……みんな、ごめん」
わたしはそう呟いて、青を連れて、暗闇の中、立ち入ることを禁止されている神域へと向かった。
「臣哉のことは、嫌い。大っ嫌い。でも……それと同じくらい、惹かれてる自分がいるの。……それっておかしいよね。あいつの性格は嫌いだけど、顔は好きだし、それに……身体もその、気持ちがよくて……うん、最低だね、わたし」
思ったことを口にして、自分でも最低最悪だと思う。
でも、身体が惹かれているってのは、きっとそれは本能で、あらがえないものなのかもしれない。
「あいつの性格は嫌い。でも、最低と言われてもいい。身体は好きなの。本能が、あいつの種が欲しいって言ってる」
「……俺にはよく分からないけど、柚希が欲しいって思うのなら、俺はすごい反対だけど、でも、止める権利はないし、そんな切ない顔をされたら、止められないよ」
本当に、自分で自分が嫌になるほど、最低だと思う。
でも、身体が臣哉を求めているのだ。
結婚はごめんだけど、あいつの種だけが欲しい。
「……わたし、あの女の人と一緒だ」
「え?」
「臣哉の精液を寄越せって言われたの」
「…………」
「わたしも一緒。臣哉自身は要らないけど、あいつの精液だけ欲しい」
あの人がわたしに取り憑いていたのかもしれない。
それでも、そのときはそれでいいと思った。
「だからわたし、今から絞り取りに行ってくる」
自分でもひどい開き直りだと思うけれど、でも、そうとでも言わないと、青はわたしを行かせてくれないと思う。
「だから、青」
「……分かったよ! 分かりたくないけど、俺には不可能なことを言われたら、うなずくしかないじゃないか!」
「……ごめんね、青」
「謝るなよ!」
青のことが好きといいながら、わたしは青にひどいことを強要している。
それは青がわたしに対して好意を抱いていて、決して嫌いにならないと知っているから言えること。
わたしは本当に、最低だ。
それに、わたしのこのわがままは、この地区一帯の人たちの生活をも狂わせる行為なのだ。
分かっていても、止められても、それでもわたしは自分のわがままを通すため、行動を起こす。
「……みんな、ごめん」
わたしはそう呟いて、青を連れて、暗闇の中、立ち入ることを禁止されている神域へと向かった。