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恋はいつでも平行線【完結】
第6章 *六*
 そう思うのに、身体はどん欲で、もっと快楽を貪りたくなり、臣哉の首に腕を回していた。
 そして、ベッドが壊れそうなくらい、わたしは必死に腰を動かし、臣哉をあおった。

「抜けないのなら、早く出しなさいよ!」

 生理が長引くと不都合だから、普段からピルを飲んでいるのを今、思い出した。
 最初が臣哉で、しかも生で中出しなんて冗談じゃないけれど、もう突っ込まれてしまったし、抜かないと言っているのだから、さっさと出させた方がいい。

「入れる前に出ちゃうくらい、早漏だったくせに」

 万全ではないけれど、ピルを飲んでいるから妊娠の心配をしなくて済むということで、変な余裕が出てきて、いつもの調子で言葉を口にしたのがまずかった。

「へぇ?」

 臣哉は不敵な笑みを浮かべると、口の端をあげ、わたしを見下ろした。

「じゃあ、オレと我慢比べ、しようか」

 我慢比べってなに? と思った次には、臣哉は腰を揺らし、わたしをあおった。

「あと三回くらいは余裕で出せそうなんだが、柚希、おまえはどれだけイケるかな?」

 ちょっと、待って!
 と思っても、すでに遅かった。

 いつもであれば、わたしが臣哉につきあうのが馬鹿らしくなって折れるか、今回みたいに、臣哉がわたしに挑発されて、怒って切れて捨てぜりふを吐いて去るかだったけれど、今はそのどちらでもないパターンだ。

「おまえにだけは、負けらんねえ」
「……負けていいから」
「そういうおまえが負けろよ」
「嫌よ!」

 結局、お互いが負けず嫌いで、そして、今はどちらも引くに引けない状況。
 今、ここで、わたしがごめんなさいと謝ったとしても、臣哉はきっと、このままナカで出すだろう。
 となったら、どっちに転んでも結果が同じなら、突っぱねるだけ。

「三回しか、イケないんだ?」

 わたしもまた、あおるようなことを言わなきゃいいのに、止まらなかった。

「そんなだから、あんた、今まで童貞だったのよ」
「……なっ! おまえもそんな勝ち気だから、彼氏ができないんだろ!」
「うっさいわね! あんたと違って、作ろうとしてなかっただけよ! いざとなったら、一人や二人……!」
「ふぅん?」
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