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恋はいつでも平行線【完結】
第1章 *一*
 しかもわたしの身体は容赦なくて、お腹の奥がきゅんとして、さらにとろりとあふれてきた。
 むちゃくちゃ感じまくって、勝手に身体が跳ねた。背中を当てている壁にお尻がこすれて、気持ちがよすぎておかしくなりそう。

「んっ!」

 油断したら股の間に挟んでいるお皿を落としてしまいそう。
 それより、もう今日はこれだけ取れたら問題ないんだから、はやくお皿を回収しなきゃ。
 と焦っていると、だれかがこの部屋に近寄ってきている気配。
 しかも。

「柚希、起きてるかー」

 うわぁ、この声、むちゃくちゃ最悪じゃないの!
 なんで臣哉(しんや)がこんな朝早くから起きてるのっ?
 し、しかも!
 この建物、わたし一人だからって、油断して部屋の鍵、掛けてない!
 これ、むっちゃピンチじゃない?

「おっ、起きてるけどっ! ちょ、開けな……」

 いで、という言葉は遅く。
 遠慮なく開いた扉の向こうの臣哉と、思いっきり目があった。

 あぁ、これ、お嫁に行けないコースじゃない?

 こんなことやってるけど、わたしの夢は、普通に恋愛して、普通に結婚することなのよ。
 臣哉は仕事仲間だから普通に話すけれど、それ以外で交流するのは大変嫌だ。
 それというのも……。

「あ、ごめん。オナってたんだ」
「……………………」

 この一言でも分かるように、柏(かしわ)臣哉という男は、大っ変デリカシーに欠ける男でして……。

 今も土曜日の朝六時という、平日でもまだ寝ている人がそこそこいるよねという時間にもかかわらず、突然、やってきたのだ。
 いや、そもそもアポを取っていても、常識から外れた時間であるけれど、今日もアポもとらずにいきなりやってきて、一応、若い娘の部屋のドアをノックすることなくいきなり開けた上、あけすけとこういうことを言うのですよ。
 これで彼女ができるわけ、ないだろう!

 しかもわたし、好きでやってるんじゃないよ!
 気持ちがいいけど、これはある意味、義務よ、義務!

 と言い返したいんだけど、今までにないほどのパニックに陥っていて、えと、まずなにすればいいの?
 なにしても取り繕いようがないほどばっちり見られてるし、とりあえずなにをすれば……。
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