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恋はいつでも平行線【完結】
第8章 *八*
 そう結論を出し、わたしは準備をするために部屋から出ることにした。
 新しい浴衣を出して羽織り、わたしと臣哉の汗と、色んな液体を吸った今まで着ていた白い浴衣をベッドの上から取り、皿も忘れず持って部屋を出た。
 それからキッチンに向かい、テーブルにお皿を置いた後、隣の脱衣所にある洗濯機に浴衣を入れて洗濯をかけた。
 疲れた身体を癒すために、風呂にお湯をためて浸かることにした。
 お湯がたまるまでの間、キッチンに戻り、怠い身体を引きずりながら御神酒用の一升瓶を取りだした。

 祖母から教わったのは、酒一合に対して膣分泌液一・八グラムを混ぜて、お供えするというもの。量としては、小さじ半分くらい。
 この小さじ半分というのがなかなかくせ者で、これくらい楽勝じゃない! と思ったのは最初だけだった。
 実際にやってみると分かるのだけど、小さじ半分の膣分泌液を採取するのはなかなか大変なのだ。
 それが今日は、臣哉のが大半とはいえ、それなりの量がある。
 ……って、ちょっと待って?
 この液体の中のわたしの比率ってどれだけなんだろう。
 いつもどおりの量だとまずい……よね?

 ガラスのカップに徳利一合分の御神酒を入れた後、白いお皿をじっと見た。
 いつもどおりの小さじ半分……だと心許ない。では、小さじ一杯にすればいいのかと言うと、それも分からない。
 分からないけれど、足りないより多い方がいいよね?
 という判断により、お皿から小さじに移して、ガラスのカップに入れた。
 透明の御神酒に混ざっていく様に頭がぼんやりしてきたけれど、わたしは慌てて頭を振って、ガラスの棒で混ぜ、徳利に移した。
 それを三宝に乗せ、骨董たちの置かれている部屋へと向かった。
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