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恋はいつでも平行線【完結】
第9章 *九*
* *
今日は朝の一件のせいで、いつもより身体を重たく感じたけれど、土曜日ということもあり、客足は平日より多い。
油断したら、朝のことと、先ほど見た女性のことを思い出して考え込んでしまいそうだったので、いつもより忙しいくらいで助かった。
いろいろとつらかったけれど、必死に笑顔を作って接客をしていたら、ようやく閉店時間が来た。
今日一日、どうにか乗り切ったとほっとして店を閉めようとしたタイミングで、臣哉がやってきた。
こいつ、絶対狙ってやってきた!
わたしはカウンター奥から、へらへら笑っている臣哉を見て、大きなため息をついた。
「こんばんは、柚希はいる?」
「臣哉さん、こんばんは。お店、今日は終わりですけど……」
店の入口を閉めようとしていたスタッフの新開さんが臣哉の対応をしてくれていた。
新開さんには悪いけれど、この隙に臣哉から逃げよう!
……と思ったまではよかったんだけど、一歩遅かった。
「お、柚希。飯食いに行くぜ」
カウンターの内側にいたので、さっとしゃがんで姿を隠したのだけど、目ざとく見つけられてしまった。
それにしても、臣哉から食事に誘われたの、初めてなんだけど。
なにこれ怖い。
「え……と」
これは素直にお誘いを受けたほうがいいの?
それとも、断ったほうがいいの?
今日は朝の一件のせいで、いつもより身体を重たく感じたけれど、土曜日ということもあり、客足は平日より多い。
油断したら、朝のことと、先ほど見た女性のことを思い出して考え込んでしまいそうだったので、いつもより忙しいくらいで助かった。
いろいろとつらかったけれど、必死に笑顔を作って接客をしていたら、ようやく閉店時間が来た。
今日一日、どうにか乗り切ったとほっとして店を閉めようとしたタイミングで、臣哉がやってきた。
こいつ、絶対狙ってやってきた!
わたしはカウンター奥から、へらへら笑っている臣哉を見て、大きなため息をついた。
「こんばんは、柚希はいる?」
「臣哉さん、こんばんは。お店、今日は終わりですけど……」
店の入口を閉めようとしていたスタッフの新開さんが臣哉の対応をしてくれていた。
新開さんには悪いけれど、この隙に臣哉から逃げよう!
……と思ったまではよかったんだけど、一歩遅かった。
「お、柚希。飯食いに行くぜ」
カウンターの内側にいたので、さっとしゃがんで姿を隠したのだけど、目ざとく見つけられてしまった。
それにしても、臣哉から食事に誘われたの、初めてなんだけど。
なにこれ怖い。
「え……と」
これは素直にお誘いを受けたほうがいいの?
それとも、断ったほうがいいの?