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恋はいつでも平行線【完結】
第11章 *十一*
「キーケースを自分も買いたいから参考に見せてほしいと言われて、渡したんです」
「……もしかして」
「えぇ、たぶん、その時に柚希のところの鍵を抜かれたんだと思います」
「……………………」
臣哉さーん、それ、犯罪!
どうしてあの男は、平然とそういうことをするのかなぁ。
すると、柏さん、座っていたソファから滑り降りると、床の上に土下座をして、頭を下げた。
「末広さん! 臣哉は馬鹿なところがありますが、そういうことをしないように育ててきたつもりでした。今までもそういったトラブルは起こしてきていません。ですが、私たちの育て方が悪かったのか、とうとうやってしまったのですね。こうやって頭を下げて赦されるとは思いませんが、申し訳ございません!」
いきなり土下座なんてされて、わたし、ドン引き。
だけど、臣哉がやらかしたことは、それだけでは済まないのだ。
「臣哉くんはどうやら、私から盗った鍵を使って柚希のところに行き、嫌がる柚希に無体を働いた挙句、その呪いの品とやらをはめたようです」
伯父さんはそこまで一気に言うと、冷たい視線を柏さんへと向けた。
「柏さん、この世に呪いの品なんてあるわけないと思っているかもしれませんが、存在するのですよ」
「……………………」
「私もこの仕事をするまで、そんなもの、あるわけないと思っていました。今だって、そんなものはないと思い込みたいという気持ちが強いです」
でもね、と伯父さんは続けた。
「偶然と言われたらそうかもしれないけれど、でも、私は、呪いの品のせいで、大切な妻を亡くしたんです」
あまりにも無知でした……と伯父さんは小さな声でつぶやいた。
伯父さんには、学生結婚をするほど、大好きな人がいた。
そしてその人は、結婚してすぐに亡くなったというのは知っていたけれど、どうして亡くなったのかということを、今、初めて知った。
「母に、骨董は呪うから気をつけろと言われていたのにも関わらず、私はなぜか自分は大丈夫という、無根拠な自信があって、その忠告を無視したのです。……そのせいで私は、大切な妻を失いました」
それから伯父さんはわたしに視線を向け、そして、左手首にはめられた金色のブレスレットを見た。
「柏さんの店に持ち込まれたというのは、今、柚希がしている金色のブレスレットで間違いありませんか?」
「……もしかして」
「えぇ、たぶん、その時に柚希のところの鍵を抜かれたんだと思います」
「……………………」
臣哉さーん、それ、犯罪!
どうしてあの男は、平然とそういうことをするのかなぁ。
すると、柏さん、座っていたソファから滑り降りると、床の上に土下座をして、頭を下げた。
「末広さん! 臣哉は馬鹿なところがありますが、そういうことをしないように育ててきたつもりでした。今までもそういったトラブルは起こしてきていません。ですが、私たちの育て方が悪かったのか、とうとうやってしまったのですね。こうやって頭を下げて赦されるとは思いませんが、申し訳ございません!」
いきなり土下座なんてされて、わたし、ドン引き。
だけど、臣哉がやらかしたことは、それだけでは済まないのだ。
「臣哉くんはどうやら、私から盗った鍵を使って柚希のところに行き、嫌がる柚希に無体を働いた挙句、その呪いの品とやらをはめたようです」
伯父さんはそこまで一気に言うと、冷たい視線を柏さんへと向けた。
「柏さん、この世に呪いの品なんてあるわけないと思っているかもしれませんが、存在するのですよ」
「……………………」
「私もこの仕事をするまで、そんなもの、あるわけないと思っていました。今だって、そんなものはないと思い込みたいという気持ちが強いです」
でもね、と伯父さんは続けた。
「偶然と言われたらそうかもしれないけれど、でも、私は、呪いの品のせいで、大切な妻を亡くしたんです」
あまりにも無知でした……と伯父さんは小さな声でつぶやいた。
伯父さんには、学生結婚をするほど、大好きな人がいた。
そしてその人は、結婚してすぐに亡くなったというのは知っていたけれど、どうして亡くなったのかということを、今、初めて知った。
「母に、骨董は呪うから気をつけろと言われていたのにも関わらず、私はなぜか自分は大丈夫という、無根拠な自信があって、その忠告を無視したのです。……そのせいで私は、大切な妻を失いました」
それから伯父さんはわたしに視線を向け、そして、左手首にはめられた金色のブレスレットを見た。
「柏さんの店に持ち込まれたというのは、今、柚希がしている金色のブレスレットで間違いありませんか?」