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恋はいつでも平行線【完結】
第15章 *十五*
 実家にいると、ストレスがたまるらしい。
 だけどそこから出て行こうとしないのか、できないのか、したくないのか分からないけれど、三十近いのに、未だに親のすねをかじっている。

 そのストレスのはけ口に、抵抗しないと思われる、かわいい女の子を求めている……と。
 そりゃあ、声を掛けられた方は、ナンパというのもあり、そういう微妙な空気を読み取って、みんな逃げるわよね。
 ほんとこいつ、駄目だわ。駄目すぎる。

「ちょっと! やめ……っ!」

 やめて欲しくて口を開いたら、唇を重ねてきた挙げ句、遠慮もなく舌を突っ込んできて、絡められた。

「んっ……!」

 気持ちは嫌なのに、身体は臣哉のキスに悦んでいる。
 口内を探るように舌でかき回されると、鼻から甘ったるい息が洩れ、しかも、わたしの舌は、臣哉の舌を追いかけるように、絡めに行く。
 これで嫌だって言ったって、まったく説得力がない。

 臣哉はわたしの反応に気を良くしたようで、さらにキスを深くして、唾液を流し込んできた。
 他人の唾液なんて嫌なのに、甘く感じて、ごくりとのみ込んだ。

「やらしいな」

 唇を離すなり、臣哉は上機嫌に言い、手早くブラジャーのホックを外してずりあげると、キスのせいで痛いくらいに立ち上がった頂に噛みつくように口を寄せてきた。

「ん……ぁっ」

 乳輪を噛むようにしながら臣哉は口の中でわたしの乳首を転がし、愛撫してきた。
 反対の胸も手のひらで捏ねてきて、わたしの口からはあられもない声しか出てこない。

「あ……んっ、はぁ──。あぁぁっぁー!」

 胸の愛撫にわたしの腰は疼き、昨日、初めて臣哉を受け入れた蜜口は、むずむずとし始めた。

 心と身体が相反していて、辛い。
 臣哉なんて嫌いなのに、でも、昨日の快楽を望んでいる身体は、臣哉を逃すまいとして、臣哉の足に自分の足を絡めていた。

「そんなに急ぐなよ」
「あ……や、やだ」

 拒否の言葉のつもりだったのに、どうあってもそうは取れない。

「柚希のおっぱいを堪能してからと思ったのに、そんなにオレのがよかったのか?」
「ちが……っ!」
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