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恋はいつでも平行線【完結】
第17章 *十七*

そして、雪というのは、昔から神田家に仕えている一族の人で、今は母の補佐役をしているのだけど、雪さんは、色んな意味で怖い。
「はい、奥さま!」
声がなぜか上方からしたと思った途端、わたしの上に、なにかが降ってきた。
「────っ!」
重みのあるそれは、あっという間に上からわたしの身体を包み込んだ。
ってこれ、捕獲網じゃん!
「ちょ、なっ!」
「柚希お嬢さま、申し訳ございません」
やっぱり上から雪さんの声がする。
最近、秋祭りのときだけ戻ってきて、そうすると、母も姉も忙しく、ほとんど話すことはない。
ということは、母の側に常にいる雪さんともほとんど接触がなく、すっかり忘れていたけれど……。
この人の実家は忍者の末裔だとかで、とにかく、身のこなしが軽くて、木に登るのは朝飯前で、幼い頃、実家にいるのが嫌で、逃亡劇を繰り返したわたしは、よくこうやって雪さんに捕獲されていたのを、今の今まで忘れていた。
そして、ここに来て、わたしもよく、実家にいるときは逃亡劇を繰り返していたことを網に絡め取られて、苦い思いを思い出して、苦笑した。
やることは、何年経っても変わらないってことか。
そしてわたしは、網に絡め取られたまま、神田家三女傑の前に生け贄のごとく差し出され、祖母の指示に従い、雪さんに引きずられるようにして、奥院に連行された。
うん、連行されたとしか言いようがないよね、これ!
この歳になってもこんなことをされるなんて、進歩のなさに涙が出そうだ。
「はい、奥さま!」
声がなぜか上方からしたと思った途端、わたしの上に、なにかが降ってきた。
「────っ!」
重みのあるそれは、あっという間に上からわたしの身体を包み込んだ。
ってこれ、捕獲網じゃん!
「ちょ、なっ!」
「柚希お嬢さま、申し訳ございません」
やっぱり上から雪さんの声がする。
最近、秋祭りのときだけ戻ってきて、そうすると、母も姉も忙しく、ほとんど話すことはない。
ということは、母の側に常にいる雪さんともほとんど接触がなく、すっかり忘れていたけれど……。
この人の実家は忍者の末裔だとかで、とにかく、身のこなしが軽くて、木に登るのは朝飯前で、幼い頃、実家にいるのが嫌で、逃亡劇を繰り返したわたしは、よくこうやって雪さんに捕獲されていたのを、今の今まで忘れていた。
そして、ここに来て、わたしもよく、実家にいるときは逃亡劇を繰り返していたことを網に絡め取られて、苦い思いを思い出して、苦笑した。
やることは、何年経っても変わらないってことか。
そしてわたしは、網に絡め取られたまま、神田家三女傑の前に生け贄のごとく差し出され、祖母の指示に従い、雪さんに引きずられるようにして、奥院に連行された。
うん、連行されたとしか言いようがないよね、これ!
この歳になってもこんなことをされるなんて、進歩のなさに涙が出そうだ。

