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喰われる人妻 菜穂
第32章 喰われる人妻 菜穂(32)
「天野部長の言う事には逆らわない方がいいって、この前言っただろ?」
「近藤さん……」
「正社員として採用されたと言っても、天野部長の気が変わってしまえば、小溝の首なんてすぐに切られる事だってありえるんだよ。あの人はそういう力を社内で持ってる。言ってる事分かるだろ?」
「そ、そんな……」
「だから君に選択の余地なんて無いんだよ。その天野部長に秘書になって欲しいと言われたんだから、素直に秘書になればいいんだよ。さぁ、印鑑持ってきて。」
近藤が菜穂に対してしてきているのは、完全に脅迫だった。
しかし、だからと言って簡単にそれを受け入れる事なんてできない。
「ま、待ってください近藤さん、せめて夫に相談させてください。秘書と言われても、仕事の内容もまだよく分からないですし……。」
「小溝に相談?そんな事する必要ないよ。それに菜穂ちゃんさ、仕事の内容も本当はもう分かっているんだろう?」
「……もう、分かってる……?」
「この前の社員旅行でも、天野部長に随分と良い働きっぷりを見せたそうじゃないか。だから智明は本採用された。そうだろう?」
「ぇ……」
――うそ……近藤さん…もしかしてこの人……――
「まだ分からない?」
そう言って近藤は席を移動し、菜穂の横に座って身体を近づけてきた。
「だったら、今ここで俺がどんな仕事かを教えてやるよ。」