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喰われる人妻 菜穂
第38章 喰われる人妻 菜穂(38)
「いってきまーす!」


「いってらっしゃい、気を付けてね。」


朝、いつものように夫と子供達を見送った菜穂は、急いでキッチンを片付け、洗濯機を回した。

今日は秘書としての出勤初日。と言っても、向かうのは会社ではなく天野に指定されたホテルだ。

早めに家事を終わらせて、10時までにホテルに着かなくてはならない。


「はぁ……」


菜穂は洗濯物を干しながら、何度も大きくため息をついていた。

あれから毎日、まるで自分が天野に飼いならされているような気分でピルを飲み続けてきた。

夫が会社をクビにされないために、やむを得ず菜穂は身体を売りに行く。

そう、これはやむを得ない事のはずで、決して自ら望んでいる事ではない。

しかしその一方でこの一週間、今日の事を想像して菜穂は何度も自慰行為を繰り返してしまっていたのだった。

そしてその自分自身の気持ちの矛盾に気付きながらも、ついにこの日を迎えてしまった。

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