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喰われる人妻 菜穂
第4章 喰われる人妻 菜穂(4)
「はい、小溝でございます。あっ近藤さん……」
電話を掛けてきたのは近藤だった。
「小溝はまだ帰って来てない?」
「はい、もうすぐ帰るってさっきメールはあったんですけど。どうしましょう、折り返し連絡するように伝えましょうか?それとも急用でしたら……」
「いや、いいんだよ。今回は小溝じゃなくて菜穂ちゃんにお願いしたい事があってね。」
「私に……ですか?」
「うん。まぁその前に、どう?菜穂ちゃんは最近元気にしてる?」
「ぇ、あ、はい、お陰様まで。あの、智明の仕事の事で色々と動いていただいて、近藤さんにはもう、なんとお礼を言ったらいいか……本当にありがとうございます。」
「ハハッ、そんな堅い言い方しなくてもいいのに。小溝と俺は同期で長い付き合いだし、それにほら……菜穂ちゃんと俺は良い友達だろ?困った時はお互い様さ。」
「近藤さん……」
「俺も2人の力になれたなら嬉しいよ。」
「ありがとうございます、本当に。」
かつてお付き合いを断ってしまった相手であるにも関わらず、自分達家族のために協力してくれた近藤に、菜穂は心から感謝していた。
今回の件で、菜穂の中の近藤のイメージは大きく変わりつつあった。