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喰われる人妻 菜穂
第46章 喰われる人妻 菜穂(46)

「小溝、今日は定時で上がれよ。」


「え?なんでですか?」


「知らん、上からの指示だ。お前残業のし過ぎじゃないのか?」


その日、智明は突然上司から定時退社するよう命じられた。

まだ今月はそれ程残業時間は溜まってないのに……と不思議に思いながら智明は帰り支度をしていた。

とは言え、この会社に勤め始めてからはずっと働きづめだったから、定時帰宅は素直に嬉しかった。


「久しぶりに子供達と晩御飯が食べられるな。菜穂ももう家に帰ってきてる頃かな。」


今日から菜穂は天野部長の秘書として働き始めている。


――菜穂はちゃんと秘書の仕事をこなせたのだろうか――


元々関連企業のOLだったとは言え、結婚、家事、育児でブランクは長い。

だから智明は菜穂の事を少し心配していた。


――あまり無理をしてなければいいけど――


すると智明が会社を出ようとした所で菜穂から電話がかかってきた。

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