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喰われる人妻 菜穂
第46章 喰われる人妻 菜穂(46)
ホテルの一室に、菜穂のあられもない声と、肉と肉がぶつかる音が鳴り響いていた。
この日菜穂は、1人の女として、人妻として、母親として、落ちて所まで落ちてしまった。
我欲に溺れた人間は、そのまま人生の下り坂を転がるようにして落ちていく。
菜穂は天野と出会ってから、短期間でここまで足を踏み入れてしまった。
それは、今まで自分でも気づかない内に心の奥に溜め込んでいた不安や不満が、あまりにも大きかったからなのかもしれない。
長年のセックスレス、夫の失業……
しかしどんな理由であれ、一度転がり落ちてしまえば、途中で止まる事は難しい。
なぜならもはや菜穂は、その落ちていく自分にさえ酔い痴れ、快楽を感じているのだから。