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喰われる人妻 菜穂
第7章 喰われる人妻 菜穂(7)
「あの、私はもう……」


「何を言ってるんだ、男なのにこの程度の酒が飲めないようじゃ、うちの会社じゃやっていけないよ。」


「は、はぁ……」


「さぁ景気よく一気にいきなさい。大丈夫、この酒はそんなに濃くない、水みたいなもんだ。」


「では、い、頂きます……。」


智明……あんなに無理して大丈夫かな……


酔っ払ったお偉いさんの中の一人に絡まれている智明を見て、菜穂は心配で仕方なかった。

一気飲みの強要なんて、典型的なパワハラだ。

そして一方、菜穂は菜穂で相変わらず天野に掴まってしまっていた。


「ところで、どうでした奥さん、ここの温泉は。なかなか良かったでしょ?」


「はい、とっても。お湯も良かったですし、浴場も綺麗で清潔感がありましたし。」


「そうでしょう。実はここの温泉は私のお気に入りでね、プライペートでもよく来るんですよ。だから私はここの女将さんや仲居さんとも仲が良くてねぇ。」


「そうなんですかぁ。でも本当に良い所ですよね、お料理も美味しいですし。」


「それでね奥さん、ここだけの話なんですけど、実は今夜僕が泊まる部屋には露天風呂が付いているんですよ。」


「お部屋に露天風呂ですか、それは豪華ですね。」


「ハハッ、こんな事社員達に知れたら文句を言われそうですけどね、なんで部長だけって。でもその露天風呂が最高なんですよ。檜風呂なんですけどね、そこから見える景色も最高だし、雰囲気がとても良いんですよ。」


「そうなんですかぁ、良いですね、檜っていうのがまた。」


「そうでしょう。どうです?奥さんも入ってみたいですか?」


「え?私……ですか?入るってあの……」


「露天風呂ですよ。奥さんなら特別に入れてあげますよ。」


「ぇ……でもそんな……」


「大丈夫、覗いたりしませんから、ハハハッ!あの露天風呂は本当におススメですから、遠慮しなくてもいいんですよ。」


「はぁ、でも……」


部長の部屋のお風呂に入りに行くなんてできる訳ないじゃない……と、菜穂は困り果てていた。

だが丁度その時、近くで酒を飲まされ続けていた智明の身体に異変が起きた。

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