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喰われる人妻 菜穂
第7章 喰われる人妻 菜穂(7)

「お、おい君、大丈夫かね?」


その声を聞いた菜穂が智明の方を見る。


「智明っ!?」


驚いた声を出して、慌てて智明のそばに寄る菜穂。

さっきまで酒で真っ赤になっていた智明の顔色が真青になっていたのだ。


「智明大丈夫!?」


「だ、大丈夫だよ……少し気分が悪くなっただけから。」


周囲からは「ほらぁ飲ませすぎるからですよぉ」という声。

しかし智明に酒を飲ませていた当人は「そんなに量は飲ませてないけどなぁ。困るなぁ飲めない体質ならそう言ってくれないと。」と全く悪びれた様子もなくて言っていた。

菜穂はそれを聞いて内心怒っていた。

……無理矢理飲ませてたくせに……


「す、すみません。少しお手洗いに行ってきます。」


そう言って立とうとした智明だったが、足元がフラつきまともに歩けない。

言葉こそしっかりしているものの、智明はほぼ泥酔状態だった。


「智明、私に掴まって。」


「ごめん菜穂……」


「ううん、歩ける?」


菜穂の身体に寄り掛かるようにする智明。

しかし女性の菜穂1人ではフラつく智明を連れて行くのは厳しい。

するとそれに気付いたあの男が近付いてきた。


「菜穂ちゃん、俺も手伝うよ。」


「あ、近藤さん……すみません。どうもありがとうございます。」


「いいんだよ。おい小溝、俺の肩に掴まれ。」


そう言って近藤は智明をトイレへ連れて行った。

智明はトイレで嘔吐していた。やはり智明の身体が摂取できるアルコールの量を大幅に超えていたらしい。

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