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喰われる人妻 菜穂
第8章 喰われる人妻 菜穂(8)
「そうそう、特に奥さんくらいの年齢の女性には本当に多いんですよねぇ、欲求不満を抱えている方が。」
「どうなんです?奥さんは、旦那さんにちゃんと満足させてもらっているんですか?」
「……あ、あの……困りますそんな事……」
酔っ払った顔でしつこく聞いてくる男達に、さすがに菜穂も不快感を隠すことができなかった。
「小溝君は見るからに淡白そうだからなぁ。最近の言い方で言えば草食系とでも言うのかな。」
「まぁあのタイプの男はまず間違いなくそうでしょうなぁ。忙しさに負けて、奥さんに構う事ができずにそのままセックスレスなんて、よく聞く話ですからねぇ。」
確かに、智明はセックスに積極的なタイプではない。それは当たっていた。
特に2年前に仕事が忙しくなり始めてからは、実は智明と菜穂は一度もセックスをしていなかった。
いや、本当の事を言えばその前から、2人目の子供を出産した辺りからセックスの回数は大幅に減っていた。
菜穂がその事に不満を持っていなかったと言えば嘘になる。
どうしてだろうと何度か考え、悩んだ事もあった。
これ以上子供を増やす予定はなったから、もしかしてそれで智明はもうセックスは必要ないと思っているのかな、とか。
私にはもう女としての魅力を感じなくなっちゃったのかな、とか。
菜穂にだって性欲はある。
天野達に言われるのは嫌だったが、確かに30代になってからは特にそういう気分になる日も多くなった気がする。
でもだからと言って当時はその不満を智明に打ち明ける事なんてできなかった。
恥ずかしかったし、日々生活する上でセックスはそれ程優先順位が高いものではなかったから。
そしてやがて智明の会社が傾き始め、全くそれどころではなくなってしまった。