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喰われる人妻 菜穂
第9章 喰われる人妻 菜穂(9)
「ぇ?あ、はい、なんでしょうか?」
そして天野は菜穂に近づくと、周りには聞こえないような小さな声でこう話し始めた。
「奥さん、この後どうですか?私の部屋で一緒に飲みませんか?」
「えっ?」
菜穂は言葉を失った。
……嘘でしょ……
もうこれで終わりだと思ったのに……
「どうもまだ飲み足りなくてねぇ。あ、そうだそうだ、さっき言った露天風呂もありますし、どうです?足を浸かっていくだけでも気持ち良いですよ。」
天野の言い方は、冗談で言っているような感じではなかった。
「は、はぁ……でも……」
菜穂が少し困惑したような顔をしていると天野はこう続けた。
「それに、そこで小溝君の本採用の事についても大事な話をしたいんだよ。」
「採用の、お話ですか?」
「そう、本当は宴会が終わったら小溝君と話そうと思っていたんだがね、もう小溝君は寝てしまったんだろう?だから代わりに、奥さんと今後についてしっかり話がしたいんですよ。」
「……あの、でも、そんな大事なお話、夫がいなくても大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫大丈夫!まぁ確かに大事な話ではあるが、それは明日にでも奥さんから小溝君に伝えてくれればいいから。」
「は、はぁ……」
「という訳だから、来てくれますよね?大丈夫ですよ、話はすぐに終わりますから。」