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喰われる人妻 菜穂
第10章 喰われる人妻 菜穂(10)
天野と共に部屋に向かう途中、菜穂はずっと心の中で葛藤していた。
言われるがままにここまで来てしまっているけれど、本当にこれで良いのだろうかと。
しかしそんな風に迷う時間もそれ程なく、2人は部屋に着いてしまった。
「さ、どうぞ入ってください。」
「……し、失礼します。」
菜穂はドアの前で一瞬躊躇するように立ち止ったものの、天野に入るように促されると、ゆっくりと部屋に足を踏み入れた。
やはり既婚女性である菜穂にとって、夫以外の男の部屋に入るというのは物凄く抵抗があった。
でも今はそんな事は言っていられないのだ。
〝智明が本採用される事〟
菜穂の中ではそれが今一番優先されるべき事なのだから。
露天風呂付きだと言う天野の部屋は建物の最上階にあり、やはり他の社員達が泊まる部屋とは作りが違い、高級感があった。
「これだこれだ、女将が用意しておいてくれた酒、これが美味しいんですよ。さ、そこに座って。」
「……はい。」
言われた通りに部屋にあったソファに腰掛ける菜穂。
この時点で、なんだか長くなりそうだと、菜穂は感じていた。
そしておススメの酒を持ってきた天野は正面の椅子に座るのかと思いきや、嬉しそうな顔をして菜穂の横に座ってきた。バスの時と同じ、肩が触れそうな程の近さだ。
グラスを渡され、そこにたっぷりと酒を注がれる。
言われるがままにここまで来てしまっているけれど、本当にこれで良いのだろうかと。
しかしそんな風に迷う時間もそれ程なく、2人は部屋に着いてしまった。
「さ、どうぞ入ってください。」
「……し、失礼します。」
菜穂はドアの前で一瞬躊躇するように立ち止ったものの、天野に入るように促されると、ゆっくりと部屋に足を踏み入れた。
やはり既婚女性である菜穂にとって、夫以外の男の部屋に入るというのは物凄く抵抗があった。
でも今はそんな事は言っていられないのだ。
〝智明が本採用される事〟
菜穂の中ではそれが今一番優先されるべき事なのだから。
露天風呂付きだと言う天野の部屋は建物の最上階にあり、やはり他の社員達が泊まる部屋とは作りが違い、高級感があった。
「これだこれだ、女将が用意しておいてくれた酒、これが美味しいんですよ。さ、そこに座って。」
「……はい。」
言われた通りに部屋にあったソファに腰掛ける菜穂。
この時点で、なんだか長くなりそうだと、菜穂は感じていた。
そしておススメの酒を持ってきた天野は正面の椅子に座るのかと思いきや、嬉しそうな顔をして菜穂の横に座ってきた。バスの時と同じ、肩が触れそうな程の近さだ。
グラスを渡され、そこにたっぷりと酒を注がれる。