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喰われる人妻 菜穂
第10章 喰われる人妻 菜穂(10)
「あ、あの……私はこんなには……」
「ん?ちょっと多かったですか?まぁ飲めなかったら残してもらっても結構ですから、さ、どうぞ。」
「はぁ、ありがとうございます。」
ゆっくりとグラスに口を付ける菜穂。
酒は発砲タイプの日本酒だった。
確かにスッキリした味わいで、美味しい。
「どうです?美味しいでしょ?」
「はい、凄く……美味しいです。」
「そうでしょう?良かったぁ、奥さんに気に入って貰えて。ささ、どうぞもっと飲んでください。」
酒の美味しさも手伝ってか、残してしまうだろうと思っていた量を天野に勧められるがままにあっさり飲み切ってしまった菜穂。
天野はそれを見て、空になったグラスにさらに酒を注いできた。
「あ、でもこれ以上は飲み過ぎになってしまいますし……」
「いいじゃないですか、あと一杯くらい。今日で飲まないと勿体無いですから、2人で一本空けちゃいましょう。」
こんな場所で酔い潰れてしまってはいけないという気持ちはあったが、このお酒はあまりアルコール度が高いとも感じなかったから、このくらいなら大丈夫だろうと思った菜穂は、2杯目にも口を付けた。
これで天野の機嫌が取れるならと、菜穂は「本当に美味しいですね」という言葉を繰り返していた。
しかしそれはある意味逆効果だった。
菜穂が天野の機嫌を取ろうとすればする程、天野は調子に乗る。
この部屋で酒を飲み始めてから20分ほど経った頃だろうか、天野は突然菜穂の太ももを浴衣の上から触ってきたのだ。