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喰われる人妻 菜穂
第11章 喰われる人妻 菜穂(11)
「私……ですか?」


「そうです。奥さんも大人だ、私が何を言いたいか分かるでしょう?私はね、あなたを一目見た時から、ずっとこうしたかったんです。」


天野はそう言って菜穂の太ももを触っていた手をさらに閉じていた内ももの方へ差し込んだ。


「えっ!?あ、天野さん、ちょ、ちょっと待ってください!」


顔を赤くしながら慌てふためく菜穂。

迷いながらここまで来てしまったけれど、まさか天野がここまで迫って来るとは思わなかった。やはり部屋にまで付いてきてしまったのは間違いだったと菜穂は後悔した。

天野の発情し野獣のようになった目を見れば何を求められているのかは分かった。

でも菜穂の我慢にも限度がある。

そして天野の手が菜穂のさらにデリケートな部分を触ろうとしてきた時、その限度は超えた。


「嫌!止めてください!」


菜穂は天野の手から逃れるようにしてソファから立ち上がった。

智明の妻である前に、菜穂は1人の女性だ。女性としてのプライドが、天野の行き過ぎたセクハラをこれ以上許さなかったのだ。

しかし菜穂は向き直って天野の驚いた顔を見た瞬間に〝とんでもない事をしてしまった〟と思った。

つい頭に血が登ってしまった。これで天野の機嫌を損ねたらもう、智明の採用の話はなくなってしまうかもしれない。

智明のやっと掴み掛けたチャンスが、水の泡に。

私のせいで……

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