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兄と妹の暑い夏
第6章 花凜、決意を固める
 しかし先に俊次が言った。

「分かってるはずだけど……俺たち、兄妹なんだぞ」

 俊次の様子には軽蔑も嫌悪も見られない。

 それが分かるともう花凜が真情をぶつけるのを妨げるものはもう何1つなかった。

「分かってるよ。それでも私、ずっとお兄ちゃんだけが好きだったから」

 言ってしまった。

 でも花凜は不思議と怖くない。

 少なくとも軽蔑されたり嫌悪されたりしないと分かったからだろう。



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