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虹の彼方で
第2章 イケメンお兄さん
許可してもらって、座ってみたのは机じゃなくてベッドの方。
あぁ、硬さもちょうどいい、このまま眠ってしまいたいくらい。
両手でシーツを何となく撫でてると、不意に、お兄さんが近寄ってきて目の前にひざまずいてきた。
「……!? あの、城西、さん?」
イケメンの騎士スタイルに心拍増大する私を尻目に、お兄さんは真剣な顔で私の膝辺りを見てる。
ひゃあ、視姦プレイ?
難易度たかすぎる!
「さっき、ぶつけたせいかな。平気? 痛くない?」
「え」
我に返って視線の先を見ると、スカートの襞がよれたところから左足の脛が覗いていた。
ほんとだ、ちょっと赤黒くなってる。
でも、そんなに痛くないし―――
「大丈夫……ッ、あれ? 痛い、かも」
笑いながら傷跡をさすろうとして、指先で軽く撫でた途端、鈍い痛みが走る。
「押すと痛む? 一応、薬、塗っておこうか」
「や、大丈夫です。そんな、悪いし」
「いいから。待ってて」
お兄さんは微笑んで立ち上がると、一旦部屋を出ていってしまう。
残された私は、ちょっと所在なさげに、改めて部屋の中を見回したりして。
壁にかけられた時計はモノトーンでシンプルな感じ。(ついでにいうなら、今は11時半)
ベッドの下とか、収納に使えるのかな、と覗いてみたら、やっぱり収納ボックスが置いてあった。
ふと立ち上がって、さっき気になってた観音開きを開いてみると、そこには二段の収納。しかも、結構、広めだから、私の持ってきたボストンの中身を空けても、上下どっちかしか埋められないかも。
下の方には洋服BOXが重ねて置かれてるんだけど、奥が広いから、それでもドラえもんが2人くらい入れちゃうほど、空きがある。
家探しして、満足すると、扉を締めたタイミングで、お兄さんが開きっぱなしのドアをノックして、戻ってきた。
開いたままのドアをノックとか、ドラマでしか見たことなかったけど、イケメンがやると絵になる。
あー、もう。動画撮れば良かった!
「あれ? 収納見てた?」
「はい」
「うちの収納、広いでしょ?」
「ものすごく」
そんな会話しながらベッドに座ると、私は薬を受け取ろうと手を出して。