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虹の彼方で
第2章 イケメンお兄さん
「お母さんには、連絡ってとれるの?」
「今日は無理だと思うんですけど、明日には一旦、ホテルにチェックインするはずなので」
「そっか。じゃあ、どっちにしても一晩ここに泊まることになるのかな」
「え、……いいんですか?」
階段を上がって、道なりに2つ目の扉前で立ち止まったお兄さんが振り返る。
「美咲ちゃんが、この部屋でいいならね。……空き部屋だし?」
笑いながら扉を開かれて、
「わ……」
真っ白い部屋に招かれる。
新品の部屋って感じ……!
白い壁紙は清潔感があって、淡い緑のレースカーテンと、奥の濃い緑のカーテンが落ち着くし、勉強机もピカピカ。
ベッドには綺麗な淡いブルーのシーツが敷かれて、ベージュストライプの布団が畳んであって、その横の観音開きっぽいアレは収納かな。
言われてみれば男子っぽい部屋だけど、私は、緑も青も好きな色だから、なんだか、とっても居心地が良さそうで、この部屋、ひと目で気に入っちゃった。
「どう?」
「素敵です……」
「そっか」
お互い、ちょっと困ったように笑って、肩の力が抜ける。
「ちょっと、座ってみてもいいですか?」
「もちろん」