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虹の彼方で
第16章 指は絡めたまま

「隙がありすぎなんだっての、……お前は」

仰向けになった私を見下ろしながら、タクミが真剣な顔で呟く。

絡まったままの指は、ずっと外さないままだから、

私の左手は、シーツに縫い止められてて。

髪を優しく撫でるタクミの左手を、払うこともできるのに、

私は、自由な右手でシーツを掴むことしか、出来なくて……。

「やっぱり、初日に追い出すべきだったよな」

お互いのためにも、と皮肉っぽく笑ったタクミが、私の喉元に顔を寄せると、首筋を舌でぺろりと舐め上げた。

「あっ……」

そのまま鎖骨に軽く歯を立てられて、全身が揺れた。

恥ずかしくて顔をそむける間にも、シャツの裾からタクミの大きな手のひらが潜り込んでくる。

お腹に指が触れて、はっとして顔を戻せば、

見下ろしてくる彼と目があって。

口の端を舐めたタクミは、バスケをしてる時みたいな、艶っぽい色気があった。

「……ぁ、んっ、……」

指先が、少しずつ上に伸びて、柔らかいナイトブラ越しに胸に触れる。

恥ずかしくて、顔がぽっと熱くなるのを感じた。

タクミの視線に、身体を撫でられてるような錯覚を覚えて、目を閉じる。

「……は、……あッ!」

指が、布を下から押し上げて…、

手のひらが、胸を包み込んでくる。

胸の先端を、指で挟まれて、

「目、開けろよ」

「……っ、…やっ」

そんなの……、無理……。

「美咲?」

なんで?

どうして、こんな時ばっかり。

凄い優しい声で、名前を呼ぶから……。

うっすら開いた瞳が、

明るい電気の下で、

微笑むタクミを見つけた瞬間、

「アッ、……やっ、ぁ……!」

胸の先端をつまみあげられて、背中が軽くのけぞった。

なに、この感じ……。

くすぐったくて、熱っぽくて、きもちよくて……、だめ……



「あっ、……ぁ、あ、……んっ」



ゆるゆると首を振るけど、

タクミは、私のことを、じっと見つめたまま、

私の胸の形を、掌で自由に変えていく。



時折、指先で先を弾かれる度に、強い刺激で、声が、出ちゃう……!



右手で自分の口元を覆うと、

ふっと笑ったタクミが、顔を近づけて…



「んっ……」



指の間を舌で舐められて、

胸の先を同じ速度で撫でられて

身体が、ゾクゾクして……



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