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虹の彼方で
第20章 内緒の計画
1階に戻ると、ソファ前のローテーブルには、既に美味しそうな料理が並んでいた。
7人で囲むには少し小さいテーブルだから、誰かの部屋のテーブルも一緒に配置されてて、部屋の中央に、よそ行きな食卓が出来上がってる。
ソファも少し角度が変わっていて、それも、L字型の4人用のソファだから、あと3人分はカラフルなビーズクッション?柔らかいバランスボール?みたいなのが3つ、並んでる。
「美咲ちゃん、その爪楊枝、持ってきてもらえる?」
私の横をサラダボールを持って通り抜けたジョニーさんの指示に、私は「はい」と返事しながらキッチンへ振り返った。
マサさんが、冷蔵庫からペットボトルを取り出してる。
えっと、爪楊枝…、これか。
カウンターの爪楊枝入れを手にすると、冷蔵庫を締めたマサさんが、私の方へ少し身体を乗り出す。
「着たか? 美咲」
その顔のニヤケ具合ったらなくて、私は思いっきり軽蔑の眼差しで「セクハラはやめましょう」と、標語みたいな返し方しちゃった。
なのに、マサさんてば、全く懲りる様子なく、表情を崩さずに私の横までやってくると、
「結構、可愛かっただろ? あれ」
なんて囁いてくるもんだから、「まぁ、……安っぽくて変ではなかったです」とだけ答える。
「だろ? だろ?」と、嬉しそうに上機嫌になりつつ、ペットボトル抱えて歩いて行くマサさんに、なんだか、もう、仕方ないなぁって笑ってしまったところで、
「ただいま!」
玄関から、翼の声がした。