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虹の彼方で
第21章 ときめきのエール
「これ、どかしていい?」
サワサワしているのは、ボンボンの端っこを持って、タクミが揺らしているからだった。
その問いかけは、私宛ではない。
タクミは、立ち上がって私を見つめる、主役3人に視線を向けていた。
翼も、春樹君も、夏樹君も、3人揃って目を丸くして、私を見てるの…!
私の―――!
「わ、わわわわわわ!!」
太ももまでめくれてるスカートを!!!!
「だ、駄目に決まってるでしょ!」
尻もちをついた私は、主役陣3人(と、横に座ってたジョニーさんにも見えちゃうような方向)に対し、足を開いて尻もちをついていたのだ。
かろうじて下着が隠れてるのは、ボンボンのおかげ!
ボンボン、君はなんて出来るボンボンなんだ!!
「ちょっと、返して!」
足の間から引き抜かれかけていたボンボンを慌ててひったくりながら、膝をペタリと床について座りなおすと、その勢いに、隣から笑い声が上がる。
「っはははは、器用なコケ方だったな」
マサさんが立ち上がって、私の頭を片手でポンポンと撫でてから、
ジョニーさんの隣にクッションを引っ張って腰かけた。
終始無言の主役3人が気になるものの、
なんだか、自分から彼らの顔を……
というか、皆の顔が見れないものだから、
私は立ち上がるタイミングも失ってしまっていて―――。
「あの……」
皆の会話も妙に途切れてしまって、
変な間が生まれてしまって、
どうしようかとボンボンを胸の前で抱えてしまう。
―――と。
「美咲、すげー、可愛い」
「え?」
「いや、マジで。ちょっと、ビビった」
顔を上げると、「すげぇ見ちゃって、ごめん」と、我に返ったように笑いながら、翼がソファに腰をおろすところだった。
その仕草に、双子君達も、なんだか気まずそうに一緒に座り直している。
妙に居たたまれなくて、視線をウロウロさせると、ジョニーさんと目が合う。
微笑んで小さく1つ頷いてくれるジョニーさんに
なんとなく……
サプライズとしては、成功、なのかな、と息をつき、
私は漸く身体の緊張が解けた。