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虹の彼方で
第4章 ディナータイム

「で? 明日以降の美咲の件、どうする?」

改めて内田さんが喋りだすと、双子の片割れ君……、敬語だから夏樹君のはず、彼がお箸を箸置きに置いて、両手の指をテーブルの上で組んだ。

「祖母には事情を伝えて、どうすべきか相談します。もとより、新しい方を受け入れるように部屋は整えてありますので、次の住まいが決まるまで、当面ここに居ていただくのは、僕は問題ないと思っています」

「概ね、僕も同じ意見です」

「うん」

夏樹君の言葉に、ジョニーさん、春樹君が同意した。



「翼は?」

内田さんの言葉に、翼は2杯めのカレーを頬張りながら「んー」と鼻を鳴らす。

「あのさ、俺は美咲と同じ高3だから、こう思うのかもしんないけどさ」

「?」

私も双子くん達も、不思議そうに目を瞬かせたのだけれど、隣のジョニーさんは「あぁ」と息だけで呟いてる。

え? 何?

「受験生に、これから一人暮らししなさいって言うのは、俺は酷じゃないのかなーと思うんだよね。しかも、転校でしょ? そこで、"次の家を探してください"って、ちょっと、どうかなーと」

あ……。

「どうすか?」と私を挟んで内田さんに顔を向ける翼と、一瞬ちらっと目が合った。

安心させるみたいに微笑まれて、不意に頬がふわっと温かくなった。

はっとして顔をそらすと、残りのカレーに意識を向ける。

「そうだよな。17、8の嬢ちゃんが一人暮らしして自活しながら受験勉強ってのは、確かに、大変な話だと、俺も思う」

内田さんの言葉に、向かいの夏樹君が「そうでしたね」と納得顔で頷いてる。



「じゃあ、逆にだ。お前ら、美咲と2年間一緒に暮らすことに異議はあるのか?」

……!

え?

ほんとに? ほんとに、それも選択肢にしてくれるの?

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