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虹の彼方で
第6章 歓談
夕飯を食べながらの皆との話し合いで、マサさんに意志を確認された私は、
少し考えてから、ゆっくり口を開いた。
『このシェアハウスって、男の人向けの場所なのかなって思うし、皆が私に気を使い続けるのも大変だと思います。私も、色々と気を回しちゃうだろうし…。
受験は初めてだし、一人暮らしだって経験ないけど、やってみたら、なんとかなるかもしれないし…、夏くらいまでには、一人暮らし出来る場所を見つけて、引っ越せたら…いいのかな、とか思ってます』
『もちろん、春樹君や夏樹君のおばあちゃん、……それから、皆さんが許してくれたら……、ですけど』
私の言葉を黙って聞いていたマサさんは、ゆっくり他の人達の顔を確認した。
『ジョニー』
『僕は、構いません』
『翼』
『うん…、分かった』
『夏樹』
『祖母には僕から確認します。僕個人は異論ありません』
『春樹』
『……』
春樹君だけ無言のまま何度か頷いてた。
『よし。まぁ……、そうだな。まず梅雨明けまで、一緒に生活する前提で話を進めるか』
マサさんの声に、とりあえず当面の生活は送れるんだと息を吐いた。
胸に手をあてて、ほっと目を閉じる私に、マサさんの声がかかった。
『美咲。それまでに、何かトラブったりして、どうしても出て行きたくなったら、俺に言え。なんとかしてやる』
『え? は、はい』
はっとして目を開いた私は、力強く笑うマサさんの言葉に、コクリと頷いた―――。