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虹の彼方で
第7章 2時のココア
「で?」
ほっと息を吐いてココアを一口飲んだ私に、金髪はベッドに寝転がったまま足を組み、声だけかけてくる。
「今時の女子高生っていうのは、こうやって夜這いすんの?」
「ち、ちがっ…!」
「じゃ、どうしたよ。人の部屋前でメソメソして」
「そ、れは……」
「お前、まさか、鍵開けたまま寝てた、とかじゃねーよな?」
「あ……」
どうしよう、瞬殺で正解が出ちゃった……!
二の句が継げずに、何か上手い言い訳が無いかと頭を働かせていたら、衣擦れの音がした。
見れば、ベッドの上で金髪が身体を横向きに変えて、私を見てた。
「え、マジ? 鍵あけて寝たのか?」
「や、ちがくて……、その、……寝る気は、なかったの……」
「はぁ」
「でも、その、気づいたら……、寝て、て」
そこまで聞いて、男は「うーわ、目覚めた」と言いながら身体を起こすと、ベッドに座り直して上体を丸めた。
開いた両足に両肘を預けて指組むと、エヴァンゲリオンのシンジパパみたいな格好で、私のことを睨んでくる。
やだ、その目、凄い怖いんですけど。
「あのさ、そういうのを"鍵開けて寝た"って言うの。分かる?」
「うっ……」
うわ、the正論。