この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
虹の彼方で
第9章 土曜の朝

「美咲さん」

片付けをマサさんに任せて珈琲を味わうジョニーさんに、ふっと見惚れかけたら、向かいから声をかけられる。

その涼しげな声に反射で姿勢を正すと、翼が横で肩を震わせだした。

ちょっと、夏樹君が不機嫌になっちゃうかもしれないじゃない…!

「順を追ってお話しますね」

「はい。お、お願い、します」

私の不安をよそに、静かに微笑んだままの夏樹君は、表情一つ変えないまま言葉を紡いだ。

勉強を教わる生徒みたいになってる私の横から手がのびて、私の食器も、翼に重ねられる。

小声で「ありがと」と言いつつも、私は、少し落ち着かない感じで夏樹君に相対した。

「土日を中心に、お話します。美咲さんは学生ですから、僕らと同じ土日祝日お休みの生活になるかと思います。基本的に、この家の住人は、月本さん以外は土日祝日お休みです」

「ツキモト、さん?」

「タクミのこと」

隣から、ジョニーさんが、柔らかくフォローしてくれた。

あ、そっか。

ジョニーさんが動かなかったのは、説明のフォローのため?

「月本さんは、平日休みなので、土日も、僕らと一緒に食事が出来ないこともあります」

「そっか。さっきも早番?とかって言ってたもんね」

「えぇ。明日は、この時間には、月本さんは不在です」

そうなんだ。

「基本的に、土日祝日は、朝食が8:30、昼食が13時、夕飯は19時。この流れです。平日は、朝食が7:00、夕飯は20時前後です」

「はい」

あくびをした春樹君が、皿を重ねてシンクに持っていき、すれちがうように戻ってきたマサさんが、ソファのあるリビングへ移動していった。

翼は、そのままシンクで洗い物を始めてる。

「料理担当は、大体、土曜日は内田さん。日曜日は城西さん。平日は、十神さんが作ってくれる日が多いです」

「うん。僕とマサさん、翼の3人で、料理担当…っていうイメージかな」

珈琲カップを一旦テーブルに置くと、ジョニーさんの長い腕が、片付け忘れられてた醤油の瓶をキッチンカウンターへと運ぶ。

「え、じゃあ…」

思い出して、冷蔵庫の方へ視線を向けると、昨日見たネームプレートの上には"ゴミ出し"の文字。

あ、ゴミ出しかぁ。


/143ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ