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虹の彼方で
第9章 土曜の朝
「冷蔵庫に貼ってあるものは、暫定的なゴミ出し担当表です」
燃えるゴミが週2、資源ごみが週1、不燃ごみ、ペットボトルは、それぞれ隔週で週1。
「ゴミ出しは、朝8時までに所定の場所にゴミ袋を起きにいきます。今日は、もう、僕と春樹で出し終えました。美咲さんが担当の日には、寝坊だけ注意してください」
「はい」
「あとは、昨日も言いましたが、門限はありませんので、自由に過ごして頂いて大丈夫です。部屋で勉強をしても、駅前で映画を見ても、一人で出かけても、誰も咎めませんので、自己責任でお願いします」
「うん。分かった」
返事をして頷きながら、私は、ふと昨日のことを思い出してた。
本当に、私の部屋に入った人、この中に、いるのかな……。
おおらかそうで、でも、決めるべき時はリーダーシップを発揮してくれそうなマサさん。
優しく会話をフォローしてくれる、ジョニーさん。
人懐っこい笑顔で面倒見よさそうな翼。
丁寧に私の理解のスピードに合わせて説明してくれる夏樹君。
それから、その横で、突っ伏して眠ってる春樹君……は、まだ人柄は分からないけど、多分、私には興味なさそう(苦笑)。
ほんとに、誰か、私の部屋に入った、の?
そんなことを思いながら、周囲を見渡して、ふと、気づいたように、私は小さく頭を下げた。
「あの、……私、言ってなかった、気がする。その、よろしく、お願いします」