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篠突く - 禁断の果実 -
第3章 本編三話 悪事千里を走る

「……河内。あんた、セックスしたかどうかなんてどうでもいいって言ったよな。それなら、私が股開いて自慰でもすれば済む話だろ。あんたは私を陥れたいだけなんだから」
下品な言葉遣いも、周りの反応も、最早どうでもよかった。クラスメイト達に引かれようと構わない。それで弟を守ることができるなら。受験生の私は、せいぜいひと月かふた月の辛抱だ。
「姉さん!? バカ言うな!」
「いいよ。できるなら」
孝哉の悲痛な叫びに被せて、河内が言う。
「姉さん……!」
「……その代わり、私の弟に指一本でも触れてみろ。一人じゃ生きられない体にしてやる」
「うん」
河内はにっこりと気持ち悪いぐらいの満面の笑みを浮かべて、元いたロッカーの上に飛び乗った。
「脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ」
そして河内が両手を叩きながら囃し立てると、他のクラスメイトもそれに同調する。やっているのは殆どが男子生徒で、一部の女子生徒はこちらを見もせずに教室を出て行った。触らぬ神に祟りなし。彼女達は賢い。
クラスメイト達の囃声が雑踏の騒々しさのように耳にこだまする。まるで豚小屋のように騒がしい教室の中心で、私はブレザーのボタンをゆっくりと外していく。
下品な言葉遣いも、周りの反応も、最早どうでもよかった。クラスメイト達に引かれようと構わない。それで弟を守ることができるなら。受験生の私は、せいぜいひと月かふた月の辛抱だ。
「姉さん!? バカ言うな!」
「いいよ。できるなら」
孝哉の悲痛な叫びに被せて、河内が言う。
「姉さん……!」
「……その代わり、私の弟に指一本でも触れてみろ。一人じゃ生きられない体にしてやる」
「うん」
河内はにっこりと気持ち悪いぐらいの満面の笑みを浮かべて、元いたロッカーの上に飛び乗った。
「脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ」
そして河内が両手を叩きながら囃し立てると、他のクラスメイトもそれに同調する。やっているのは殆どが男子生徒で、一部の女子生徒はこちらを見もせずに教室を出て行った。触らぬ神に祟りなし。彼女達は賢い。
クラスメイト達の囃声が雑踏の騒々しさのように耳にこだまする。まるで豚小屋のように騒がしい教室の中心で、私はブレザーのボタンをゆっくりと外していく。

