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篠突く - 禁断の果実 -
第4章 本編四話 逆襲

その質問を待っていた。私は、再びポケットの中に手を突っ込んで同じものが幾つも入った透明な袋を取り出し、掲げた。
「これ、全部盗聴器よ。炊飯器のコンセント、食卓の裏、脱衣所の洗濯機のコンセント、トイレのタンクの裏、箪笥の裏……孝哉と私のブレザーにも付いてたわね。この前のは、孝哉の部屋に付けようとして忘れちゃったんでしょ? 間抜けね」
「だから、証拠は――」
「あんたしか家に呼んだことないのに、他に誰が仕掛けるっていうのよ」
おまけに、林 紗絵はこの間以外にも幾度となく家に招かれている。彼女の他に盗聴器を仕掛けられる人間など、いる筈がなかった。
私は追い打ちをかけるように林 紗絵に問いかける。
「……紗絵ちゃん。最後に一度だけ、チャンスをあげる。あんたに盗聴器とボイスレコーダーを渡したのは、誰?」
林 紗絵がごくりと息を飲むのがわかった。彼女は俯いて、それきり何も喋らなくなった。それから三分が過ぎても、林 紗絵は無言のままだった。助け舟を待っているのか、それとも最後まで無言を貫くつもりか。正直に吐くとは思っていなかったが、どちらにせよ、私は彼女を血祭りに上げねばならない。
ポケットから、二つに折った茶封筒を取り出す。
「……白状する気、無さそうね。いいわよ」
「これ、全部盗聴器よ。炊飯器のコンセント、食卓の裏、脱衣所の洗濯機のコンセント、トイレのタンクの裏、箪笥の裏……孝哉と私のブレザーにも付いてたわね。この前のは、孝哉の部屋に付けようとして忘れちゃったんでしょ? 間抜けね」
「だから、証拠は――」
「あんたしか家に呼んだことないのに、他に誰が仕掛けるっていうのよ」
おまけに、林 紗絵はこの間以外にも幾度となく家に招かれている。彼女の他に盗聴器を仕掛けられる人間など、いる筈がなかった。
私は追い打ちをかけるように林 紗絵に問いかける。
「……紗絵ちゃん。最後に一度だけ、チャンスをあげる。あんたに盗聴器とボイスレコーダーを渡したのは、誰?」
林 紗絵がごくりと息を飲むのがわかった。彼女は俯いて、それきり何も喋らなくなった。それから三分が過ぎても、林 紗絵は無言のままだった。助け舟を待っているのか、それとも最後まで無言を貫くつもりか。正直に吐くとは思っていなかったが、どちらにせよ、私は彼女を血祭りに上げねばならない。
ポケットから、二つに折った茶封筒を取り出す。
「……白状する気、無さそうね。いいわよ」

