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篠突く - 禁断の果実 -
第7章 過去編一話 癒えぬものは

孝哉の右隣から、ぼんやりとした声が投げられる。
「どう? 高校。もう慣れたの?」
「あー、うん、慣れたよ」
「……彼女は? できた?」
疲れから吐息混じりに答えると、先ほどとは打って変わってニヤニヤと顔を緩めた悠が茶化すように聞く。
「……姉さん、本当そういう話好きだね」
孝哉は呆れたように溜め息を吐いた。
彼女は昔からそうだ。弟の恋愛話が好物のようで、まるでご飯のおかずにでもするみたいに聞いてくる。
「……最近、うざいくらいに話しかけてくる女子ならいるけど」
ぼそりと呟くと、ベッドとひとつになってしまうのではないかと思うほど溶けていた悠が、ばっと上体を起こして、腹を空かせた動物みたいに食いついてきた。
「え、何それ。孝哉に気があるってこと?」
「んー……俺、そういうのよくわからないからなぁ……」
「……はぁ……これは苦労するわねぇ……」
嘆かわしい声を上げて、悠は再びどさりとベッドに倒れた。
「何の話?」
「……あんたが鈍感男だって話よ」
呆れた声でぼやくが、孝哉はその真意を理解できていないようだった。
「どう? 高校。もう慣れたの?」
「あー、うん、慣れたよ」
「……彼女は? できた?」
疲れから吐息混じりに答えると、先ほどとは打って変わってニヤニヤと顔を緩めた悠が茶化すように聞く。
「……姉さん、本当そういう話好きだね」
孝哉は呆れたように溜め息を吐いた。
彼女は昔からそうだ。弟の恋愛話が好物のようで、まるでご飯のおかずにでもするみたいに聞いてくる。
「……最近、うざいくらいに話しかけてくる女子ならいるけど」
ぼそりと呟くと、ベッドとひとつになってしまうのではないかと思うほど溶けていた悠が、ばっと上体を起こして、腹を空かせた動物みたいに食いついてきた。
「え、何それ。孝哉に気があるってこと?」
「んー……俺、そういうのよくわからないからなぁ……」
「……はぁ……これは苦労するわねぇ……」
嘆かわしい声を上げて、悠は再びどさりとベッドに倒れた。
「何の話?」
「……あんたが鈍感男だって話よ」
呆れた声でぼやくが、孝哉はその真意を理解できていないようだった。

