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篠突く - 禁断の果実 -
第9章 過去編三話 守るということ
 食事を終えた父が、席を立った。彼は自分の顎をくいっとやって向かいに座る孝哉を呼ぶ。それにこくりと頷くこともなく、孝哉もまた、無言で席を立った。

(……やる)

 この後父は、孝哉に暴力をふるうだろう。悠の目に届かない場所で。
 孝哉は、日常となった暴力を飲み下し、これからも平然とした表情を続けるのだろう。けれど、それではダメだ。理不尽な暴力に、慣れてはいけない。屈してはいけない。

『……助けて……姉さん……』

 あの時、確かに孝哉は、悠にSOSを発した。どうすれば弟を助けられるのかも、どうすれば狂った両親を止められるのかも、悠にはわからない。けれど、助けなければ。助けたい。守りたい。彼女は切実にそう願う。
 リビングを出ていこうとする孝哉と目が合うが、彼は大丈夫だよとでもいうふうに微笑んだ。
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