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おじさまと咲姫
第3章 目印
幼い頃に遭った事故の後遺症で、右足はすぐには動いてくれない。
普通の人に比べたら、歩く速さはどうしても多少劣ってしまう。
少し、引きずるようになってしまう。
その程度と言えばその程度で、日常生活に際立って不便な事はないけれど。
それでも未だに残るその傷痕に。
所謂『普通』とは違う歩き方に。
悩んだ時期もあった。
それを救ってくれたのは-彼。
彼は私を二度も、助けてくれた。
一度目は、十三年前の交通事故。
小学校に登校中の私に向かって来た、一台の乗用車。
恐怖に足が竦んで動けない私を、たまたま高校に行く途中の彼が抱き寄せ、身を挺して守ってくれた。
結果的に、ふたりとも無傷というわけにはいかなかったが。
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