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おじさまと咲姫
第17章 口実
また何か、からかわれるに決まってる-警戒する咲姫は、悠眞からさり気に身体を遠ざける。
何気ない風を装ったつもりが、ばればれだったようで-目敏い悠眞に指摘される。
「そんな用心しなくても別になんにもしねぇよ。自意識過剰だ」
「何かされるのを心配してるんじゃなくって、何か言われるのを心配してるんですっ」
変な事を言うなと、頬を染めながら咲姫は食ってかかる。
「何かってなんだ。ほんとの事しか言ってない」
しれっと言われ、咲姫の怒りは増す。
「…すっごい、むかつくっ」
「朝から喚くな。ただでさえ昨日飲み過ぎで頭が痛い」
大袈裟にこめかみを押さえ、悠眞は眉を顰(しか)めた。
ペットボトルに残った水を飲み干す悠眞に、咲姫はたった今禁じられた大声で攻撃する。
「だからもう朝じゃないしっ。十時過ぎてるってさっきも…!」
「分かった分かった。もう邪魔しないから、好きなだけ食え」
頭に響く咲姫の高音に、悠眞は降参とばかりに空になったペットボトルに蓋を締め直し、腰を上げかけた。
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