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おじさまと咲姫
第19章 遭遇
もうそんなに揺れてないから、離して-乞おうとして、ふと、心に引っかかる。
もしも昔、事故に遭っていなかったら。
もしもこの足が、なんともなかったら。
この間の夜道で足元を掬われた時。
電車が揺れて転びそうになった時。
腕を掴んでくれなかった?
腰を支えてくれなかった?
ちくん、と。
小さな-でも容赦なく、不安という名の棘が胸を刺す。
そんな事はない-思うけど。
けど。
こんなには真剣に、手を差し伸べてはくれなかったかもしれない-。
その時再度、電車が大きく揺れた。
腰にあった悠眞の手に明らかに力が入り、半端ない密着度で引き寄せられた。
微かに甘くも感じる恐らく香水の香りと、ほんの僅かな煙草の匂いが、咲姫の嗅覚を強烈に刺激する。
意識するなと言う方が無理だった。
もしも昔、事故に遭っていなかったら。
もしもこの足が、なんともなかったら。
この間の夜道で足元を掬われた時。
電車が揺れて転びそうになった時。
腕を掴んでくれなかった?
腰を支えてくれなかった?
ちくん、と。
小さな-でも容赦なく、不安という名の棘が胸を刺す。
そんな事はない-思うけど。
けど。
こんなには真剣に、手を差し伸べてはくれなかったかもしれない-。
その時再度、電車が大きく揺れた。
腰にあった悠眞の手に明らかに力が入り、半端ない密着度で引き寄せられた。
微かに甘くも感じる恐らく香水の香りと、ほんの僅かな煙草の匂いが、咲姫の嗅覚を強烈に刺激する。
意識するなと言う方が無理だった。

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